またもお便りです
頸部食道癌でESD後、高度狭窄となり、経鼻内視鏡も通過しない。
再発と他臓器重複癌ができないかを経過観察中だが、拡張つづけているが
1年たってもなおらない、せめて経鼻内視鏡が通過するくらいまで改善したい。
寝る時に16Frのゴム管を鼻から食道に通して管腔を確保しているが
一生このままだと受け入れがたい、なんとかいい方法がないか。
小指の爪くらいのもののすら詰まります
とのこと。
今は胃ろう?でしょうか。
まずは1年間拡張術大変でした、というのも頸部食道は
もともと管腔が他の部位よりも狭いので、 ESDする時、胃とおなじように
広くマージンとって切除
なんてやってると、思いっきり狭くなって後から大変な作業が必要になる場所です。
そうならないようにするにはできるだけ最小限にとる範囲を狭くすること
ステロイドの局注を必ずおこなうこと
ステロイドの内服を術後併用すること
狭くなる前に拡張すること
これを必ず守る必要があります。
ひとたび狭くなってしまうと、1回広げてもまた狭くなり、を繰り返します。
患者さんにとっても医者にとっても、何度も何度も拡張続けるとなると
大変ですし、心も折れます。
でもなってしまった以上は拡げる、
しかし経鼻内視鏡も通らないとなると策をねらねばならない
胃ろうから逆行性に内視鏡を挿入して、鼻からも内視鏡をいれて2つのスコープの
合わさる所で電気メスをいれて切開をおき
そこから拡張をしつづけることで
せめて経鼻内視鏡くらいは通るようになるのではないでしょうか
私も同じように1年以上拡張を続けている方がおりますが、あらゆる策を講じて
なんとか経鼻内視鏡は楽にとおるようになったかたはおりますし
しかし思い切り拡げると今度は食道に穴が開くのが心配で
頸部食道癌ESD後の高度狭窄は
食道ESDにおいて最後に残った問題点です、
狭窄をきたす前に拡張を
横方向にとりすぎない
水平断端はぎりぎりでよい
でしょうか。