全周性の食道がんは一度に全周切除しないで
もっとも深いと予想されるところを切除し、
病理結果をみて、食道温存できそうなら
あとからのこりを切除しましょう
病理が転移を危惧する症例ならケモラジか手術に回しましょう
なんて発表してたら
1997年の胃と腸の記述に
「広い病変で全周性に切除する必要がある場合は
まず3分の2周性切除して、6−8週後に残りの部分を
切除するとよい」
とかいてある。
EMRの時代だけど、すでにそういう考えはあったのだ。
1997年の雑誌にこれをかけるってことはその数年前から
そういう構想があったのだろうし
成功体験もあったのだろうと
おそらく手術を選択できない高齢者全周性食道表在癌と
向き合う中で、こうしてみたらどうだろうか
という成功体験から書き残した言葉でしょう。
そう考えると、戦略にESDが加わったとはいえ、
分割切除でもなんとか癌をコントロールしたい、内視鏡治療で
というのがつたわってまいります。
記述の主はもちろん幕内先生です。
いや〜昔あんなこといってたんだ、と後になってから記録にのこすのはどうも
とおっしゃる先生もいらっしゃいますけど
その時代時代で考え方が違うのもありだし
記録に残すのは大事だなあと。
幕内先生、日々楽しく拝見しております。記述を残していただき感謝です!