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日本ヘリコバクター学会

当院のデータですと食道がんの4人に1人は下咽頭がんになり
7人に1人が胃癌になり10人に1人は中咽頭癌になる。

よって食道癌になったかたはできれば生涯にわたり
胃カメラ検査を受け続けるのがよくて

次の癌にならない、なったとしても早く対策を打てるように
準備しておくのがよく

じゃあどうしたらよかんべ

ってことで、ケン三郎、新たな情報収集のため、このたび
「日本ヘリコバクター学会」
に50歳にて入会しまして

「ヘリコバクター感染症認定医」の取得をめざすことに
いたしました。

食道が専門なのに何やってんだろ俺・・

ですけど、その分野の1番を目指すのではなく
頭頸部、食道、胃の広い分野に目を向けて、外科内科の架け橋、
バイプレーヤーとしての立ち位置を目指す戦略でございます。

食道がんもお酒を控えて次の癌を減らす
って戦略がありますけど「この薬を飲めば減らせます」
なんてものはありません。

しかし胃癌の場合は、そのおおきな原因はピロリ菌でございます。
日本における胃癌の原因の98%がピロリ菌で2013年から
日本ではピロリ感染胃炎に対し、これを退治する治療、
いわゆる除菌治療が胃癌予防できると期待され行われてきました。

ボノプラザンの登場による一次除菌で90%の方が除菌成功
さらに2次除菌で90%近い方が除菌成功、100人に99人は
除菌成功 

2013~2019年までに除菌した850万人
生涯にわたる蓄積効果として医療費を3770億円削減し
28.4万人の胃癌を予防、6.5万人の胃癌死亡を未然に防いだ

さらにこれからすべてのピロリ感染者に除菌を行えば
医療費は1兆4918億円削減、108万人が胃癌になるのを予防し25万人が
胃癌で死亡するのを防ぐことができる

除菌戦略は世界中の胃癌リスクの高い国で検討すべき、費用対効果のすぐれた
胃癌精索であることを示唆している

勉強になりました~

若い時に自分のリスクを知って、早めに除菌しましょう。

文献)
Kowada A, Asaka M.
Economic and health impacts of introducing Helicobacter pylori eradication
strategy into national gastric cancer policy in Japan:A cost-effectiveness analysis. Helicobacter. 2021;00:e12837.doi:10.1111/hel.12837




by kenzaburou41 | 2021-09-26 17:46 | 学会奮闘記 | Comments(0)
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