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Gel immersion endoscopy

神戸の学会行って帰ってまいりました。

発表は無事おわりましてだいぶ学会場にもひとが入るようになってますけど
ウェブで見られるのでその場所にいなくてもあとから配信されるので
同じ時間に2−3個みたいセッションが重なってもあとで勉強できるっつー
ありがたさ。

その中で「gel immersion endoscopy」のご講演を拝聴。

「出血したところを水で洗うと出血点がよくわからないけどgelをつかうとすごくよく
見える」っていう仕組みを利用した送気、送水につぐ、新しい「観察の場」

⬇︎開発者/自治医大 矢野智則先生の抄録より

消化管出血に対する緊急内視鏡や,内視鏡治療中の出血では,視野確保が難しい.送気や吸引で視野が確保できない場合は,水を注入しての浸水観察が試みられるが,出血の勢いが強いと流れ出た血液と水が混ざり合って,濁った視野になる.水の代わりに透明な gel を注入する gel immersion endoscopy を用いれば,水や血液とすぐには混じり合わず,血液や凝血塊等を押しのけて透明な空間を作り出して視野確保でき,直視下で処置が可能になる.この方法のために開発した電解質を含まない専用 gel を用いれば,gel の中でもモノポーラー高周波処置具が使用可能である.腸準備不良時の大腸内視鏡や,腸管内圧を低圧に保って内視鏡を行いたい場合など,様々な場面に応用できる.今後,送気と送水に続く第 3の視野確保方法として,gel immersion endoscopy が普及していくことを期待している.

まさに大会長の山本教授の「ピンチはチャンス」を実現した機器の開発

出血点の観察やバルン内視鏡をもちいた手技の工夫など
ものすごく進化を遂げた世界に圧倒されまして

これ食道の超音波内視鏡にもいいんだよなあ
とおもってたら、

「もう論文化されています」とのこと。

いろんな分野で活用できそうですし、これも世界に広まる日の丸の技術。

「全米が泣いた」「感動した」技術でございます。
明日からの診療に◎





by kenzaburou41 | 2021-11-07 07:59 | 学会奮闘記 | Comments(0)
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