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術後の後遺症を語る会

昨日よる、「食道専門家と語ろう」って企画がありまして
ケン三郎も当直中のお仕事のさなかに、参加いたしました。

患者さんの「困ってること」に対して専門家がアドバイスを送ろう
という趣旨でしたが

内視鏡治療後のかた、というとそれほど困っている方はいない(しいていうと治療後しばらく狭窄がきつかったくらい)

でほとんどは「手術後の思いもよらない環境」への憤り、といいますか
実に様々な悩みをかかえておりまして

どーして手術前からそうなることを詳しく教えてくれないのか?

外科医は「ゆっくりよくかんで」というだけで取り合ってくれない

「それでも詰まるんです」「どうなっているのかイメージがわかない」
「のどを押せばいいというが落ちなくて上がってくるのが怖い」
「すぐ下痢する」
「酸っぱいのが寝てると上がってくる」
「声がかすれるのがなかなか治らない」
「皮膚のきったところの感覚が戻らない」
「寝汗をかいて食事もなかなか入らない」
「縦隔鏡手術をうけたが、横隔膜が動かなくて息苦しい」
「なんでも食べていいといわれた、栄養士の指導もなかった」

などなど。

さまざま、

というのも食道がんの手術は一夜にして「臓器の役割分担変更」がございます

もともと食道のやくわりは「運搬業」(食事を胃にとどける)でございます。

胃はためる、消化する、腸に細かく溶かして送り出す

でございます。それが一夜にして 作りがかわるわけですから
食道がなくなった胃は「おいおいそんなの聞いてないよ」「おい食道どこへいったんや!」
「俺、切り取られて広がらなくなってるやん、
神経もきれて動けないやんか、しかも
運搬業もやらされて、負担が大きいんだから
あんまり急いで食べるな〜」

な状態でして

頭と体がその仕組みに十分に慣れるまでは3年くらいかかる

ですけどみなさん、食べものを選んだり、体の向きを変えてみたり、
(バランスボールにのるかたもいました)いろいろ工夫されてて
そうなんです

自分でうまく行く方法をいろいろ試して見る」が◎で
「医者にきいてもあてにならない」

それでもうまく食べられないときは、胃ろうや腸ろうをもう一回つくってもらう
あるいは食事のときだけ鼻から管をいれて栄養を流し込む
などの次のステップでしょうか

でもあんまり急いで糖質を送り込むとダンピング症状がでますので
吸収のおそい脂肪、タンパク質をさきにとり、主食は最後にゆっくり時間をかけてとる

一回に食べる量はいままでの半分まで

これが基本です。

食道がんは手術したらもう治った、放射線あてたらもう大丈夫

ではなく、その後も再発がないか細かくチェックしていき、必要に応じて
手をうって行く

せっかく食べられるようになっても、「再発」があればまたきつい治療が始まるわけで

手術した病理の結果でリンパ節転移がたくさんあれば、これは再発が心配だ、となる。

おそらく、術後早期のコンディション不調については
自分が手術をうけた身ではない医者に聞くよりも
もう5年たって治った患者さんから「おれはこうしたら克服できたよ」という
よりよい意見を集めるのがよくて

おそらく医者の知らない細かいコツがそこにはあるはずで。

この半年くらいでそのQアンドAを集めて、学会のHpからだれでもダウンロードできる

あるいは You tubeでいつでもだれでもみられるようにする

そういう次の一手をかんがえましょうか

ちいさなことからコツコツと 食道がんの撲滅にむけて 

はしるはしる〜おれたち 流れる汗もそのままにい〜





by kenzaburou41 | 2021-11-29 21:41 | 手術後のアフターケア | Comments(0)
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