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術前CRT+食道癌術後の補助療法

本日、日本食道学会より「食道癌術後治療における二ボルマブ」に関する
コメントがでました。(checkmate 577試験)

くわしく知りたいかたはこちらから

主要評価項目である無病生存期間は、ニボルマブ群 22.4 か月(95%信頼区間 16.6–34.0 か月)、プラセボ群 11.0 か月(95%信頼区間 8.3–14.3 か月)であり、ニボルマブ群の優越性が 証明された(ハザード比 0.69、96.4%信頼区間 0.56–0.86、p<0.001)

<ガイドライン委員会のコメント>本邦においては、cStage II, III の食道がんに対して手術を中心とした治療を行う場合、術前化学療法が標準的治療として推奨されており、(CQ9)、術前化学療法を行った場合には、術後化学療法は行わないことが推奨されている(CQ10)。また術前治療なく手術を行い、病理学的リンパ節転移陽性の場合には術後化学療法が推奨されている(CQ11)。今回の試験において、術前化学放射線療法および手術を行い病理学的完全奏効が得られなかった cStage II, III の食道がんに対して、術後ニボルマブ療法がプラセボと比較して無病生存期間を改善することが示された。

【術後ニボルマブ療法】ガイドライン委員会は、以下の根拠から、術前化学放射線療法および手術を行い病理学的完全奏効が得られなかった場合の術後ニボルマブ療法を強く推奨する。(合意率:81%(21/26)、2 名に COI があり棄権、エビデンスの強さ A)一方、術前化学療法および手術を行い病理学的完全奏効が得られなかった場合の術後ニボルマブ療法は、現時点で推奨を決定することができない。(合意率:92%(24/26)、2 名に COI があり棄権、エビデンスの強さ D)① CheckMate 577 試験において、術後ニボルマブ療法のプラセボに対する無病生存期間に関する優越性が検証されていること 。② CheckMate 577 試験において、日本人集団のみの有効性や安全性に関する報告はないが、人種や地域、組織型、病理学的リンパ節転移の有無、腫瘍細胞における PD-L1 発現等のサブグループ解析においても、術後ニボルマブ療法はプラセボと比較して良好な結果が示されており、全体集団において良好な忍容性が報告されていること。③ CheckMate 577 試験は、cStage II, III の食道がんまたは食道胃接合部がんのうち、術前化学放射線療法を受け、かつ病理学的完全奏効が得られなかった症例のみを対象とした試験である。そのため、術前療法で病理学的完全奏効が得られなかった場合にのみ、術後ニボルマブ療法の投与が検討される(表)が、術前化学療法を行った場合の有効性安全性は明らかでない。④ 同様に、CheckMate-577 試験の対象外であった、術前療法で病理学的完全奏効が得られた場合のニボルマブの有効性は明らかではなく、推奨されない。また、本報告においては全生存期間に関するデータは示されておらず、再発後の治療効果等も加味した長期的な有効性については現時点では明らかでない。有害事象の発生割合は許容内と考えられる。ただし、Grade 3-4 の有害事象として疲労(1%)、下痢(<1%)、掻痒感(<1%)、皮疹(<1%)、関節痛(<1%)、AST 上昇(<1%)を認めており、切除不能食道がんに対する治療時と同様に、ニボルマブ療法において免疫関連有害事象の発生には特に注意が必要である。

術後療法の推奨レジメン   cStage II, III の食道がんに対して、術前化学放射線療法および手術を行い、根治切除が得られるも病理学的完全奏効が得られない場合、組織型や腫瘍細胞における PD-L1 の発現によらず、術後ニボルマブ療法を行うことを強く推奨する。(合意率:81%(21/26)、2 名に COI があり棄権、エビデンスの強さ A) また cStage II, III の食道がんに対して、術前化学療法および手術を行い、根治切除が得られるも病理学的完全奏効が得られない場合、術後ニボルマブ療法については、現時点で推奨を決定することができない。(合意率:92%(24/26)、2 名に COI があり棄権、エビデンスの強さ D)


1年も予後が違うなんて、、


by kenzaburou41 | 2021-11-30 19:02 | 新しい治療法 | Comments(0)
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