進行食道癌で根治手術をした患者さんでも、その後に再発することがあり
その時期は術後2年以内の早期にわかることがおおいとされます。
また再発した場合の予後は人それぞれでよく治療が効く人もいれば
なにをやっても癌の病勢に歯止めがかからず残念ながら亡くなってしまうことも
ありこれまでの報告では再発から5ヶ月〜10ヶ月程度で半分の方が亡くなると
言われております。
一次治療として最初に使う薬は
5FUとシスプラチン
5FUとネダプラチン
S1
FOLFOX
などがあり
最近の報告ではドセタキセルを加えたDCF治療が
奏効率62%全生存期間の中央値が11、1ヶ月
(JCOG 0807 Hironaka S, et al Cancer Sci 105;1189-1195, 2014)
と報告されており、現在JCOG1314にて従来のFPとDCFの比較試験中
一方で2次治療としてATTRACTION-3試験でニボルマブ治療が
パクリタキセル、ドセタキセル療法よりも有意に生存期間を延長することが
報告され、( Kato K, et al Lancet Oncol 20:1506-1517, 2019)
現在は2次治療としておニボルマブ治療が強く推奨される。
とはいってもニボルマブの奏効率は19% 2次治療としての生存期間中央値は10.9ヶ月
ですので、いろいろな薬物治療の選択肢があれど
術後再発したら、まずは次の半年をめざし
その半年がうまくいったら次の半年を目指す
というのはそう変わってない状況でしょうか、、
免疫チェックポイント阻害剤をどこでどう使うか、というのが
令和時代の薬物治療の肝であり
専門家の意見を聞きつつ、現在行われている臨床試験の行方に
聞き耳を立ててすこしでも長くいい状態を維持できますよう