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KEYNOET 181

本邦における切除不能進行・再発食道癌のシスプラチン+5-FU 療法不応後の二次化学療法として、パクリタキセル、ドセタキセルが弱く推奨されていたが(CQ28)、ATTRACTION-3 試験において、ニボルマブ療法が、パクリタキセル療法あるいはドセタキセル療法よりも生存期間を有意に延長することが報告された(【速 報】ATTRACTION-3 試験の概要ならびに進行食道癌治療におけるニボルマブに関する日本食道学会ガイドライン委員会のコメント)。 ←2020年3月13日

また、今回、KEYNOTE-181 試験において、探索的な結果であるが、PD-L1 陽性(CPS≧10)かつ扁平上皮癌の食道癌患者においてペムブロリズマブの化学療法(パクリタキセル、ドセタキセル又はイリノテカン)を対照とする有効性成績が得られた。 ←2020年10月2日


【ペムブロリズマブ療法】ガイドライン委員会は、以下の根拠から、二次治療として PD-L1 陽性(CPS≧10)かつ扁平上皮癌の場合にはペムブロリズマブ療法を弱く推奨(エビデンスの強さ B)する。

① KEYNOET-181 試験において、二次化学療法の標準治療であるパクリタキセル、ドセタキセルあるいはイリノテカン単独療法に対して、全生存期間における優越性が示せなかった。

② KEYNOET-181 試験において、二次化学療法の標準治療であるパクリタキセル、ドセタキセルあるいはイリノテカン単独療法に対して、PD-L1 陽性(CPS≧10)かつ扁平上皮癌の患者において有効性成績が得られた。ただし、当該解析集団は事前規定された解析対象集団ではなく、探索的な解析結果であった。

二次化学療法の推奨レジメン切除不能進行・再発食道癌に対する一次治療としてシスプラチン+5-FU 療法に不応の場合、二次治療としてPD-L1 の発現によらず、ニボルマブ療法を行うことを強く推奨する(合意率 78%、エビデンスの強さ A)。

PD-L1 陽性(CPS≧10)かつ扁平上皮癌の場合に限り、ペムブロリズマブ療法を行うことを弱く推奨する。(合意率 77.3%[17/22]、エビデンスの強さ B)

強く推奨:ニボルマブ療法
弱く推奨:ペムブロリズマブ療法(CPS≧10 かつ扁平上皮癌症例)、パクリタキセル単独療法、ドセタキセル単独療法、ペムブロリズマブ療法(MSI-High 症例)


でこのあとに KEYNOTE590で
切除不能・再発食道癌の1次治療にペンブロリズマブ+5FU+シスプラチンが推奨 ←2021年11月30日

とCheckmate577試験の結果から  ←2021年11月30日
術後療法の推奨レジメン  cStage II, III の食道がんに対して、術前化学放射線療法および手術を行い、根治切除が得られるも病理学的完全奏効が得られない場合、組織型や腫瘍細胞における PD-L1 の発現によらず、術後ニボルマブ療法を行うことを強く推奨する。(合意率:81%(21/26)、2 名に COI があり棄権、エビデンスの強さ A)

また cStage II, III の食道がんに対して、術前化学療法および手術を行い、根治切除が得られるも病理学的完全奏効が得られない場合、術後ニボルマブ療法については、現時点で推奨を決定することができない。(合意率:92%(24/26)、2 名に COI があり棄権、エビデンスの強さ D) 

↑ ガイドラインでは「推奨を決定することができない」ですが「事実上容認」

JCOG1109の結果から
術前療法の推奨レジメンcStage II,III 食道癌に対して手術療法を中心とした治療を行う場合,術前化学療法,術前化学放射線療法のどちらを推奨するか?cStage II,III 食道癌に対して手術療法を中心とした治療を行う場合、ドセタキセル+シスプラチン+5-FU3 剤併用術前化学療法を強く推奨する(合意率 84%[21/25]、エビデンスの強さ A)  ←2022年2月3日


まとめますと。 お若くて元気で切除可能進行食道癌

まずDCF>切除可能を維持していれば根治手術。 ここで癌がなくなってなければ、術後補助療法としてニボルマブ1年間を容認(ただし特有の合併症もあるのでやるかどうかは要相談)。

DCF、手術後に再発した場合の一次治療は ベンブロリズマブ+5FU+シスプラチン
でこれが効果がなければニボルマブ? ニボルマブをもう使っていたら パクリタキセル・・
どこで放射線治療のカードを切るか。

ここ1-2年でだいぶかわりつつありまして。



by kenzaburou41 | 2022-02-27 22:13 | 新しい治療法 | Comments(0)
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