食道癌の根治手術
手術のあとに抗がん剤をやるより
手術の前に抗がん剤をやるほうがいいことがわかり
FAPよりもDCFがよいことがわかり
DCFも2コースより3コースがよさそうだからJCOG1109で
FPとDCFと術前ケモラジと3つのアームで検証がされ、やっぱりDCFがいいことがわかり
DCF3コース?結構きつくね??って臨床医は感じるんだけども
じゃあ2コースと3コースどっちかいいの?
っていうクリニカルクエッションに 2コース群と3コース群を前向きにランダム化して
ふりわけて、その成績を多施設共同で調べようという試みが関西地区の有名どころ6施設
中心に行われ
その結果が https://doi.org/10.1038/s41416-022-01726-5
British journal of cancer につい先日公表されております。
cT1-T4a N0-3 M0 and or M1lym 、SCCの患者 180人が
2つの群にふりわけられ
DCF 70mg/m2(day1)・70mg/m2(Day1)・700mg/m2(day1-5)
3週まわし、最後のケモの始まった日から3-6w以内に根治術を行った。
プライマリーエンドポイントは 2年PFSであといろいろ比べてみました。
2014年7月~2018年12月 男性が85%、年齢中央値67歳
(やっぱり進行食道癌の適齢期は67歳なのね)
2コース 91名、3コース89名で
cStage1/II/III/IV=8/24/51/8(2コース群) vs 5/31/44/9(3コース群)
で開始。
2コース群91名中 13名(8名は有害事象、4人が増大、1名が拒否)が2コース出来ず、大きくなって手術ができなくなった
3名を除く88名が根治手術に臨み、86名が根治切除、2名が癌が取り切れなかった、もしくはとりのこし疑い
3コース群89名中 13名(5名が有害事象、5名が拒否、3名が癌の進行)で3コース出来ず、最終的に85名が根治術
に臨み82名が根治切除、3名がとりきれなかったもしくは取り残し疑い。
その病理結果。
2コース群の88名中8名に9.1%に癌の消失
だったのに対し、3コース群の85名中13名(15.3%)に癌の消失が得られた
で、2年PFSは 2コース群で71.4%にたいし、3コース群で71.1%と同等(P=0.6688)
2年OSは2コース群で81.1%に対し、3コース群で79.9%と同等(P=0.9567)
つーことで全体をみると2コースでも3コースでもよさそう
サブ解析では
65歳未満と 65歳以上で比較してみますと
65歳未満群で2コース群の2年PFSは63.0%、3コース群は80.8%と有意に(P=0.0448)3コース群が良く。
OSでも2コース群で73%、3コース群で90.0%(P=0.0526)。どうも若い人はしっかり3コースやった方がよさそうで
65歳以上では2群に差はなく
また抗がん剤がきかなかった人たちを解析すると2コースVS3コースで
2コースの2年PFS69.2%に対し、3コースで49.2%と
効かないと判断した場合は2コースで辞めたほうがよさそうと。
なるほどです。
というふうで、日常診療に疑問が生じ、その疑問を
読み解いていくにはどういう研究を組んでその結果をどう
次に反映させるか、ということ
これに免疫チェックポイント阻害剤をどう加えるかという
ことになりまして
乗り遅れないように勉強しようっと