2週間前に他科入院中、急性食道粘膜障害になったって方が
昨日の夜から食事がつかえる、今朝は水も通らない
どうしましょう
って内視鏡やってる側から、担当医の先生が相談にいらして
いやいや午前中フルに内視鏡入ってんだけども
えっとこの方とこの方を先にやって、と
若者がすでに「あざーっす」「ちーっす」とお昼ご飯を食べに行く中。
一人残って内視鏡。
はい、じゃあその方今やりましょうか、下ろしてくださいっ
と病棟から降ろして
検査してみますと。案の定、鶏肉が塊で食道に2切れ詰まってて
はい、じゃあ回収っ
と除去して
ついでに狭いから拡張しましょうっ と
一応、出血や穿孔のリスク、入院期間延長の可能性など
もろもろリスクをお話ししてカルテに残しといて
万が一のときに「そんな話聞いてなかった」と言われないように用心し
風船で狭いとこをゆっくり広げ
4月、5月は新人さんがついてることもあって準備も時間かかるけど
はい、焦らない、急かさない、笑顔笑顔、、今看護師さんがお昼休憩行ってるんで
検査できません、といわれても笑顔を絶やさず。
「俺、休憩してないんだけど」とアピールもせず
笑顔笑顔 上島さんなら、笑顔だよな
ケン三郎はスコープを握った
鶏肉が回収された
食道がひろがった
スコープが胃に到達した
患者に笑顔が戻った
ヘッドら〜いと、テールラーイト
もうプロジェクトXですよ
ああ、助かりました。すっきりしましたと患者さん。
臨床なんてちょっとした笑顔のおすそ分けやわ〜
あなたにとって「プロフェッショナルとは?」
なんでもいいから、ちいさないいことを繰り返せばいいんですよ
それが食道屋さんていうもんです。