人気ブログランキング | 話題のタグを見る

陽子線治療

昨日は大学院生むけの講義で
国立がんセンター東病院の秋元先生が「陽子線治療」
について講義をされるってんで

夕方1830ーズームでの講義を受けました。

放射線治療も進化していて、ある場所にどのようなビームを、どうやってあてて
さらにその部分以外の脊髄やら耳下腺やら、当てたくない場所にあてずに
治療するか、っていう取り組みがなされておりまして。

たとえば肺がんなどは呼吸性に変動するもの、上下するものでは
息をすったときと吐いた時、吸った時だけビームを当てる方法とか

あとは腸管が膨らんだ時とぺしゃんこの時に
その臓器に当てないように微調整をしながら当てる方法とか

外科手術も進化しているのですが、最新の放射線治療も
だいぶ昔と変わっているようです。

残念ながら、都会には放射線治療専門の先生が数多く
存在するものの、地方には少ないという地域偏重

陽子線治療を受けたくてもそもそもその機械がない、
治療を受けたくても受けられない県、もあります。

陽子線治療、放射線治療は
当てる場所がある程度固定されていて、動かないもの

に対しては特に有利で

そのビームの特性からいうと、X線よりも陽子線、粒子線
の方が理にかなっており

癌の種類によって、保険適応(国が標準的な治療と認めている)
ものとそうでないものがあります。

2022年4月の改定で
従来の
 小児腫瘍(限局性の固形悪性腫瘍)
 限局性の骨軟部腫瘍(手術による根治的な治療が困難なもの)
 頭頸部悪性腫瘍(口腔咽喉頭の扁平上皮がんを除く)
 限局性、および局所進行前立腺がん(転移を有するものを除く)

に加えて
 大きさ4cm以上の肝細胞がん
 肝内胆管がん
 局所進行性すい臓がん
 局所大腸がん(手術後の再発)

が適応になっています。

残念ながら食道がんはまだこの改定の段階で
保険適応になっておらず

なぜか、というと
食道がん、進行すると頸部、胸部、腹部の3領域に転移が起きる
となれば、当てる範囲が場合によっては広くなる 問題があり。

保険適応になっているものをみると
「限局性」「手術でとりきれない」「転移のあるものを除く」
などの条件がついています。

おそらく食道がんについても「転移がないもの」「術後の再発」など
の条件がつくと思われ

今後どういう条件にしぼっていくと保険適応になるのか

でしょうか

今晩は患者さんとの意見交換会が予定されておりまして
タイムリーな基礎知識を学ぶ機会でございました。

勉強はいつまでも、年をとっても続けられる





by kenzaburou41 | 2022-06-22 07:04 | 放射線治療 | Comments(0)
<< 術後の食生活 9題 >>