JCOG0909の結果が論文化されてすげー有名な雑誌に今度掲載されることが
きまったようでして。
ステージ2、3の根治的ケモラジ>うまくいかなかったら救済手術
という方針で行ないまして。
それなりにいい成績が出た、のですが。
問題はケモラジ後に手術をしたけれども綺麗に取りきれなかった方、というのは
当然ながら取りきれた人より成績が悪く
また放射線治療だけでは治らなくて
サルベージ手術を受けたかたに限ると、5年生存率はそれほどよくないようで。。
一方で術前FP+手術、術前DCF+手術、術前 FP+CRT+手術の
3アームをくらべたJCOG1109試験では 放射線をつかってないのに術前DCF+手術
がこの3アームの中ではもっとも成績がよく
かつ、0909の根治的ケモラジ+サルベージ手術と 成績はほぼ同じ。
体の負担は放射線治療が入らない分だけ軽い。
一方で、患者さんによっては他に余病があったり、高齢だったり
手術を簡単に選べない方には根治的ケモラジは非常に有効な手であり
それがうんとよく効く群に入った場合は成績もよく
効いたけど癌がのこってしまった、あるいは一旦消えたようにみえたけど
急速に再発してとりきれないくらい大きくなった、という方は残念ながら
治療成績は良くない
選んでよかった、という方とそうでなかった、という方が分かれる治療
根治的ケモラジだけで根治が得られた人ってのがいいんだけど
それに入るかどうかはやってみないと分かりませんという
不確定要素も大きな治療法。
どっちがいいんでしょう?と聞かれると難しいですが
放射線治療はできれば切り札にとっておきたい治療です、
と外科医に聞くとみなそういうと思います。