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バイパス手術の適応

バイパス手術の適応について

日本気管食道科学会誌 2022;73:203-209
がん研有明 金森先生の論文より

①ある程度お元気(PS0-1) 身の回りのことは自分でできる

②抗がん剤がうけられる=通院ができる

③余命3ヶ月より長いと予想される

④口からたべたいという意欲が強い

⑤食道に大穴があいている

⑥狭窄長がみじかく、狭窄がかるく、ステントをいれても逸脱しそう

⑦今後ケモらじを予定している、

⑧ケモらじ後にせまくなってたべられないが、長期にCRを維持している


適応外

①頭頸部癌がんの照射後などで嚥下障害あり

②頸部食道がん=それより口側でつなげない

③すでに肺炎、呼吸器機能がわるい

④栄養状態がわるい

20例で3例(15%)に縫合不全、4例(20%)に肺炎、C/D GradeⅢ以上5例(25%)
で存院日数中央値19日(12-62)
術後生存期間中央値 141日(18-1113日)  


2016年のNakajimaらの
44例の報告では45%に瘻孔あり、たべられない症例
縫合不全1例(2%)術後肺炎21例(48%) 在院日数25日(11-98)
で14例(32%)に後治療あり

まあ瘻孔つくってるから肺炎は想定内でしょう
縫合不全がおきなければ、つぎの治療法を早くはじめられるので
選択肢のひとつとして有用です。

メリットはなんといっても全かゆ以上の普通の食事がたべられる!

ということで

じゃあステントはどうか、というと
いいひともおりますが胸部違和感やいたみを訴えるかたもおり
どっちをとるか、というとケースバイケース

最近は手術以外の治療法もいろいろあって
どの治療法をどこでそのカードをきるか?
っつー戦略会議が重要でして。

よく主治医の先生と相談
主治医の先生が内科主体なら外科医にも
きいてみましょう





by kenzaburou41 | 2023-02-23 13:55 | バイパス手術 | Comments(1)
Commented by ゆり at 2023-02-24 16:21 x
アメリカに住んでいます。食事をするとのどや胸がつかえ、たまに咳が出ます。食道ガンではないかと気になります。アメリカでは内視鏡をするのに大変高額なうえ、すぐに検査することができません。また、アメリカでは上部消化器のがんは日本ほど多くないため、見過ごしも多いと聞きます。そこで、お尋ねしたいのですが他の方法で調べることはできないでしょうか?例えば、CTやMRIで検査して、かなり疑わしいというのが分かってから内視鏡をする、という方法はどうでしょうか?日本ですとまず内視鏡なのですが、それがアメリカではかなわないのでこのような手順を考えてみました。また診断に役立つ血液検査の項目はあありますか?
ご意見頂戴できれば幸いです。よろしくお願いいたします!
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