BNCT(Boron Neutron Capture Therapy)は、中性子とホウ素の核反応を利用したもので、正常細胞にほとんど損傷を与えず、がん細胞を選択的に破壊する治療法で、初発・単発がんのみならず、個別臓器に広がったがんや転移性がん、難治性がんにも効果が期待できます。 また、通常の放射線治療を行った後でも治療可能であり、再発がんの治療にも効果が期待されるほか、他の治療法とBNCTを併用することによって治療の効果がさらに高まる可能性もあります。 本治療法は、切開や切除を行わず低浸襲であり、患者さんのQOL(生活の質)向上が大きく期待されます。
①点滴でホウ素薬剤を投与
②癌細胞がホウ素薬剤を取り込む
③熱外中粒子線を照射
④がん細胞内でホウ素と中粒子の核反応で放射線が発生
⑤癌細胞だけを選択的に破壊
という流れで2020年3月
「切除不能局所進行または再発頭頸部癌」に薬事承認 6月に保険診療として
認められて2年数カ月がたち
この治療を行える南東北BNCT研究センターより2021年2月までに治療され
3か月以上フォロー、かつ一次評価できたSCC47例を解析
CR24例(51%)
奏効率 74%
観察期間中央値16.2か月で
1年全生存率86%(完全奏効例で92%、非完全で78%)
1年無病生存率30.7%
Grade3以上の有害事象22%
これに対し光免疫療法
1・2a相試験で完全奏効13%
奏効率43%
Grade3以上の有害事象 63%
と有効性、安全性は BNCT>光免疫治療
もともと、もう治療法がありませんよ、という状況の
方がCRを得られ、2年以上経過している方もでてきている
ということから今後は「最初っからやってもいいのでは?」
という治療法として期待される
メモメモ
今のところ
食道癌には適応ありませんけども 頸部食道癌など転移範囲が
狭い病気にはきっといいはず。
放射線治療やったあとでも使えるなんて!
日々情報収集~