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咽頭食道接合部表在癌の1例(病理)


さて。頸部食道癌だけかとおもって調べてみたら下咽頭癌も
あった。さてどうします?しかも下咽頭のほうがでかくて
食道は早期がん。 話が違う… 転移は明らかなものない。

それそれが1つの病変なら食道はESD、下咽頭ELPSでもよさそう
しかし、両者は食道入口部で連続しているようにも見える。

うーん、。全麻でみてもつながってるよなあ 下咽頭深そう。

①下咽頭、頸部食道も含めてケモラジ
②下咽頭ケモラジ+食道ESD
③下咽頭ELPS+食道ESD
④下咽頭も食道も手術

おそらく多くの施設は①でしょう。
手術では「声がのこせません」という理由で。

しかしケモラジ、効果はあるのは当然だけど再発したら
いよいよ声がのこせないリスクも。

いつ再発するかわからない怖さもあります。
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ここでお勧めするのが下咽頭後壁であれば、経口的に全層で電気メスを
使って切開し、頸部食道と併せて外切開で下咽頭も部分切除する手術です。

「頸部食道切除+下咽頭部分切除」

切除した所には小腸をお腹からもってきて吻合します。血管も顕微鏡を
つかって細い糸でつないで生きた腸管が切除した頸部食道~下咽頭を埋めてきます。

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病理の先生もほとんどこのような検体はみたことないでしょう。
喉頭が切除されていない、下咽頭~頸部食道の検体でともに表在癌。

下咽頭~頸部食道に連続した表在癌があり
中央に頸部食道14×11mmの乳頭状隆起
右に下咽頭癌 約30×20mm

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両者はヨード染色をすると連続しています。
切除標本
↓下咽頭癌は 厚み2500μm 脈管侵襲陰性
食道は深達度LPM  リンパ節転移なし

結果からすると「内視鏡だけで切除しえたかも」

ですが治療後の狭窄がおそらく問題となり。
せっかく治療したのにうまく飲み食いできなくて

毎回拡張が必要になる

かつ切除マージンをしっかりとって、
きれいに切除できたかどうか 
内視鏡治療はチャレンジングな治療だと思います。

ということで「診断」もですが
治療法の選択も、かなりなやんだケースでしたので

研究会でもいろいろ意見を聞きたかったケースでございました。

患者さんから学ぶことは多く、
「食道癌のESD後に下咽頭癌が進行してみつかる」ことは極力さけたいと思います。

ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2024-08-06 13:49 | ELPSでのどを守る | Comments(0)
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