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食道表在癌の深達度診断~EUSは本当に不要か?

札幌の内視鏡学会

教育講演で有馬美和子先生の

「食道表在癌の内視鏡診断~EUSは本当に不要か?」

を拝聴。

JCOG1604でおこなったMM/SM癌と診断した269例に
EUSを行った所、EUSは6.6%のoverdiagnosis を増加させた
ってことで

拡大内視鏡のあとにEUSを「ルーチンに行う事は支持できない」

と最新のガイドラインに書かれてしまい。 

いやあ、じゃあEUSやらなくてもいいんじゃない と多くの臨床医が考えてしまう
ことへの反論

通常・拡大・EUS・食道造影と深達度診断を行う方法がいくつかあるなかで

拡大は浅いものを浅いという診断能には適しているが 
SMの深い所まで表面の血管だけをみてものをいう、のも無理がある。

全例にEUSをやるとなると労力もいるし。じゃあどういう使い方をするのがいいか?

EUSのきれいな画像と病理の対比をたくさん提示いただきまして

sm2癌は白色+拡大だけだと、深達度を浅くよんでしまう
EUSを加えた方がより正確さが増す

EUSをやった方がいいケースは
sm2の可能性が高いがMMを否定できないもの
上皮下浸潤傾向があって、表層には血管の異常がでにくいもの
TYPE Rのちりちり系

併存疾患や高齢でsm2とわかっていてもESDを適応するケース(筋層浸潤の評価)
CRT後のサルベージESDの適応判断(PDTがある施設なら、手術・ESDとのすみわけ?)

ということで 結論 「EUSは必要です」

いったんやめちゃうと、どんどん診断能は低下するし
せっかく先人が築いてきた文化が途絶えてしまうなと。

患者さんに不利益がないように 
頑張らねばだ















by kenzaburou41 | 2025-05-11 20:05 | 診断の達人たち | Comments(0)
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