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食道胃接合部がんの手術

【食道胃接合部癌に対する縦隔リンパ節および大動脈周囲リンパ節の郭清効果を検討する介入研究】

文 献: Establishing a standard surgery for esophagogastric junction cancer: Final results from the JGCA-JES nationwide prospective study

著 者: Yukinori Kurokawa, Hiroya Takeuchi, Yuichiro Doki, Shinji Mine, Masanori Terashima, Takushi Yasuda,
Kazuhiro Yoshida, Hiroyuki Daiko, Shinichi Sakuramoto, Takaki Yoshikawa, Chikara Kunisaki,
Yasuyuki Seto, Shigeyuki Tamura, Toshio Shimokawa, Takeshi Sano, Yuko Kitagawa

掲載雑誌: Cell Reports Medicine 7, 102627, 2026

食道胃接合部癌に対する縦隔リンパ節および大動脈周囲リンパ節の郭清効果を検討する介入研究

デザインと内容 本試験は、日本の42施設が参加した前向き介入試験である。
対象は、腫瘍の中心が食道胃接合部の上下2cm以内に存在し、組織生検で腺癌/扁平上皮癌/腺扁平上皮癌
のいずれかと診断され、cT2–T4、R0切除が可能、20歳以上、PS (ECOG)が0–2、適切な臓器機能を有する患者。

術前や術後の補助療法の有無および内容については規定されていないが、必ず術前に登録し、登録後14日以内
にプロトコールで規定された規準に従って手術を行う。 すなわち、食道浸潤が3cm以内の腺癌で、
上/中縦隔にCTで短径8mm以上あるいはPET-CTでFDGの有意な集積を有するリンパ節がない場合には、
経食道裂孔アプローチによりNo. 1, 2, 3a, 7, 8a, 9, 11p, 11d, 19, 20, 16a2lat, 110, 111, 112 を郭清する。

それ以外の場合は、経右胸腔アプローチにより No. 1, 2, 3a, 7, 8a, 9, 11p, 11d, 19, 20, 16a2lat,
105, 106recL, 106recR, 107, 108, 109L, 109R, 110, 111, 112 を郭清する。

上記以外のリンパ節の郭清は自由であり、食道や胃の切除範囲、再建法、腹腔鏡/胸腔鏡の使用についても規定しない。

Primary endpoint は各リンパ節の転移割合、
Key secondary endpoint として各リンパ節の郭清効果インデックス(転移割合×転移例での5年生存率)を設定し、
登録数は360例(経食道裂孔アプローチ240例、経右胸腔アプローチ120例)、登録期間4年、追跡期間5年を予定した。

本論文における結果の要約 2014 年4月から2017年9月までの間に371例が登録され、うち363例が適格と判定された。
363 例中Siewert II 型腺癌が82.9%、Siewert I 型腺癌と扁平上皮癌はそれぞれ8.5%であり、
全体の1/3に術前補助化学療法が施行され、全体の62.3%に経食道裂孔アプローチ、35.5%に経右胸腔アプローチが選択された。

363例の5年生存率(OS)は63.5%(95%CI, 58.3–68.3%)、
うちR0/R1切除が施行された354例の5年無再発生存率(RFS)は53.2%(95%CI, 47.8–58.2%)であり、
142人に術後再発を認めた。

再発部位としてはリンパ節が44.4%と最多であり、続いて肝(26.1%)、腹膜(21.8%)、肺(21.1%)の順だった。
R0/R1 切除が施行された354例のうち、術後5年以内の転帰が不明の4例を除く350例における解析では、
No. 1, 2, 3, 7, 9, 11p の郭清効果インデックスはOSが3以上かつRFSが2以上であり、高い郭清効果が示された。
また、No. 8a, 108, 110 の郭清効果インデックスはOSが3以上またはRFSが2以上のいずれかであったが、
その他のリンパ節はいずれもOSが3未満かつRFSが2未満と郭清効果が低かった。
縦隔リンパ節については、切除標本における食道浸潤長との関連性を調べたところ、
食道浸潤長が3cmを超えている症例のNo. 108 の郭清効果インデックス、および食道浸潤長
が2cmを超えている症例のNo. 110 の郭清効果インデックスはともにOSが3以上かつRFSが2以上であり、高い郭清効果が示された。
また、術前化学療法を行っていない症例に限定すると、No. 106の郭清効果インデックスはOSが3以上かつRFSが2以上となり、
高い郭清効果が示された。
以上より、cT2–T4 の食道胃接合部癌に対するリンパ節郭清範囲および手術アプローチの推奨として、以下の新しいアルゴリズムが提唱された。


食道胃接合部がん、最近増えてますからどこからどこまで切除するか、を
決めておきましょう
という取り決めでございます








by kenzaburou41 | 2026-03-11 23:01 | 食道胃接合部癌 | Comments(0)
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