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カテゴリ:手術後のアフターケア( 59 )

術後透視

「食道がんの術後1日目、内視鏡やってます」

声帯が動くか、吻合部の具合、胃管の色調、蒼白やうっ血はないか、血流は問題ないか

問題がなければ3日目から氷なめを開始

8日目にまた内視鏡で縫合不全の有無を確認

というように、主に内視鏡の所見を参考にして術後の具合を見て行きますが

そうなったのも約10年前

それまでは造影剤を飲んでもらって、縫合不全はないか、流れはどうか
などをやってました。

今でもそういう施設は少なくないと思います。

患者さんに、術後食べるとどうしてもみぞおちあたりがキュッと痛くなる
どういう状態が知りたいんでどうしてもバリウムで流れを見たい、

って言われて

ああ、そういえばしばらくバリウムで術後の画像見てないわなあ

10年前は皆こうやってたっけな

と思いながらバリウムやって見た。

そうっとバリウムが胃の前庭部にキューっと溜まって
そこが大きく拡張する

もともと胃があれば大きく広がるのだろうけど

細くなった胃はそこまで広がらない

ああそうだなあ、こうやって目で見ると確かに胃が小さくなって
大食いや早食いすると体調がすぐ悪くなるってのが
わかるなあ、、、

と実感。

ダンピングを繰り返す方には、どうしてそうなってるのかを
見せて、実感してもらうのがいいのか、
と納得しまして。

まだまだ患者さんへの「痒いところに手が届く」サポート
は足りんのじゃ。


















by kenzaburou41 | 2018-03-31 07:43 | 手術後のアフターケア | Comments(1)

ダンピング症候群

胃切除後の血糖値の推移

食べ物を貯める能力がへる

一度に大量の糖が小腸に流入

急激な糖吸収が生じ、急激な血糖上昇をきたす。(早期ダンピング)
高張な内容物の小腸流入により高張性脱水
急激な小腸拡張による血管運動神経反射
腸管刺激に張消化管ホルモンの過剰分泌
腸管粘膜の血流増加と脳血流低下
などが食後20分以内に生じる。

これに対しインクレチンと言われるGLP-1(小腸L細胞より),GIP(小腸、十二指腸K細胞)
などの消化管ホルモンが
分泌、インスリンが大量に出てグルカゴンが分泌抑制

そのおかげで今度は2−3時間たってから急激な血糖の低下をきたす。(晩期ダンピング)

RY再建の方がB1再建よりもダンピングが少ない

胃切後の高血糖を鋭敏に反映する指標は1, 5AGで2−3日前の高血糖を示唆する。






by kenzaburou41 | 2018-03-24 21:33 | 手術後のアフターケア | Comments(0)

食道亜全摘と胃全摘

食道癌の手術は食道を亜全摘します。

亜全摘ってことはのどに近い食道は一部のこります。

そして胃を細長い管にしてくびまで引っ張って持ってきます。

「胃は残るんですね」

いえいえ、胃は残るといっても袋がないので、貯めることができません

大食い、早食いはできなくなります。

じゃあ体重もへるんでしょうか

そうです、一年で10キロくらい痩せることは稀ではありません。

先生では胃がんで胃を全部とったひとと
食道を亜全摘したひと、どっちが体重減るんでしょう

う、、比べたことないからわかりませんっ

芸能人みてみると食道を亜全摘した方と
胃を全摘した方

どっちがやせてみえるか、

胃全摘のほうが減るのかしら、、

そういう目線ももたねば

今度調べてみます~

















by kenzaburou41 | 2018-03-15 12:32 | 手術後のアフターケア | Comments(0)

咽喉食摘後の嚥下リハビリ

喉頭癌、下咽頭癌、頸部食道癌
で声をうしなう手術

咽喉食摘

いんこうしょくてき

咽頭と残った食道の間にはお腹から小腸を部分的に切り取り

咽頭ー空腸ー食道の順にたべものが通過していく

この空腸は血管も動脈、静脈とも周囲の血管に縫合するので

[遊離空腸(ゆうりくうちょう」と呼ばれております

この状態となって術後だいたい1週間後くらいから
いちおう食事はできる状況となりますが

最初のうちはなかなかバクバクは食べられない
のが一般的です。

この時息をする場所は胸骨のちょっと上に
気管に穴をあけて行います

ざぶんと温泉に肩まではいるとこの
気管孔に水が入ってきますので、肩まで
つかれないという不都合が生じます。

食べ物をたべるルートと
この気管(空気のとおりみち)は分断されているので
誤嚥をきたすことはありません

しかし食べ物がこの遊離空腸の中で停滞することがある
ので「のみこみにくい」「したにおちていかない」

鼻から水分や食べたものが逆流する

といった症状が生じます

術後2週間くらいはなかなかうまくいかない
のですが、

これがしばらく時間がたつと
[たくさん一度にたべない」「急がない」
などの工夫を凝らすようになって

自然と食べ方を習得するように思います。

こうした食べ方の指導も「がんリハビリテーション」の1つです

ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2017-08-19 15:17 | 手術後のアフターケア | Comments(0)

逆流防止手術

胃管再建術後、癌の再発はもちろん心配ですが

患者さんを悩ます術後の合併症に残食道の食道炎があり

これを回避するにはPPIを飲んだり

体を起こして寝ましょう

でもやっぱり制約がある

これに対し、胃を温存して回結腸で再建するとバウヒン弁が
逆流を抑えてくれるので残食道炎が回避できる

という術式を選択する施設もある

でもやっぱり胃管再建のほうが楽だし

胃管でしかも逆流しないためには?

っていうことで、胃管後壁に内視鏡的に土手を作って、上に
戻ってこないようにするという手術手技の発表がございました。

まだ1例目ですけど

たしかに消化液が口側にもどらないし、
残食道炎もできてない

へ〜っ

これは素晴らしい方法だ!

と感心。


言われたらああそうか、と思うけど

逆に言えば今、何か困ってること

でだれもが気づいてないこと

を書いていけば

ヒントがみつかる












by kenzaburou41 | 2017-06-15 21:54 | 手術後のアフターケア | Comments(0)

吻合部狭窄の治療

食道癌術後の狭窄
ときどきございますが

その吻合部狭窄をへらすというより

吻合部狭窄になった人の拡張回数を減らす試みとして
ランダム化比較試験が行われ

15mmのバルン拡張+プラセボ

15mmのバルン拡張+ステロイド局注

の2群での前向きランダム化試験

結果 プラセボ群の拡張回数4回、ステロイド群2回で
有意に回数を減らせたとのこと。

ステロイドを深くうつと穿孔する可能性があるので拡張し、
裂けた裂傷部分の近傍に打っています、胸壁前再建例は注意してます、とのこと。

とは言ってもステロイドを打たなくても、
拡張回数4回ですんでるならば概ね許容範囲かも。

こつは初回狭窄の時からステロイドを打つ

何十回と狭窄、拡張を繰り返す
難知性狭窄になるまえに手を打つということか


覚えて置かねば〜

ステロイドが効果があるということは明白

狭窄の予防という点では
術後1ヶ月目くらいにステロイド打っておけば
狭窄しないのだろうか。









by kenzaburou41 | 2017-05-14 06:23 | 手術後のアフターケア | Comments(0)

何食べたらいい?

食道にかぎらず、癌患者さん、術後の低栄養は
予後に関わるっていうんで

いろんな食事をどうとっていくか、周りと同じように
バクバクはとれないし
なにがいい?

Mediterranean diet and colorectal cancer risk: a pooled analysis of three Italian case-control studies.


British journal of cancer. 2016 Aug 18; doi: 10.1038/bjc.2016.245.

Author
Valentina Rosato, Valentina Guercio, Cristina Bosetti, Eva Negri, Diego Serraino, Attilio Giacosa, Maurizio Montella, Carlo La Vecchia, Alessandra Tavani


地中海食の順守は数種のがんのリスク低下と関連しているが、地中海地方で実施した研究は少ない。今回、ミラノ大学のValentina Rosato氏らが、イタリアでの3件のケースコントロール研究のデータから、地中海食が大腸がんリスク低下に関与していることを確認した。British journal of cancer誌オンライン版2016年8月18日号に掲載。

 著者らは、3件のケースコントロール研究のデータから、大腸がん症例3,745例、院内コントロール6,804例をプールした。地中海食の順守度は、9成分に基づく経験的な地中海食スコア(MDS)を用いて評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・地中海食の順守度が最も低い群(0~2MDS)に対する最も高い群(7~9MDS)のオッズ比(OR)は0.52(95%CI:0.43~0.62)で、順守度とリスクに有意な逆相関がみられた(p<0.0001)。
・MDSの1ポイント増加によるORは0.89(95%CI:0.86~0.91)であった。
・この逆相関は、各研究、がんの解剖学的位置、選択された共変量の各層で一貫していた



ち、地中海食??

もしかしてブイヤベース???


おそらくこれからは術後食の研究が進むだろう、という外科学会のランチョン
でした。


ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2017-04-29 18:19 | 手術後のアフターケア | Comments(0)

術後の他臓器がん

UGI研究会の抄録がようやくでけて

食道がんで手術をうけて、食道がんが治った、5年経過が終えた95名を
検討。

残食道に1cm以上のバレット粘膜ができた症例が約2割

でもそこからバレット食道腺癌ができた症例は1例もなし。

(経過観察期間5〜11年)

逆流性食道炎からかならずしもバレット食道になるわけでもなく、

またバレット食道になったからといって
5年〜10年くらいで
みんながバレット食道腺がんができるわけでもない。

しかし驚くことに術後に頭頸部がんができた人が12名。

胃管がんができた方が5名。

肺がんができた方が2名。

ってことで、食道の手術をうけた方がチェックすべき領域は、
頭頸部、胃を中心に特に念入りに
チェックが必要ってことですわ

食道がんになった方の10人に1人は頭頸部がんがでてくる。

これを知ってるかどうかは大きいんですわ

医者も知ってなきゃいけないし

患者さんも、そのことを医師に念を押してみてもらうほうがいい

食道がん、頭頸部がんは口コミと国の検診システムの構築で治せるがんですわ

今年も啓蒙活動がんばりますばい。











by kenzaburou41 | 2017-01-02 22:24 | 手術後のアフターケア | Comments(0)

たばこは辞めるが酒は飲む

逃げるは恥だが役に立つ

たばこは辞めるが酒は飲む

食道がん術後の患者さんの残食道にバレット食道がどれくらいできるかを
調べてみたんですわ

術後から5年以上経過が追えていて内視鏡
でもどれくらいの期間でバレットになるかを
確認できた症例のみを対象

とすると、
ステージ1なのに術後にあっという間にがんの再発でなくなった方
あるいは、来た時にはもう手遅れだな、とおもってたステージ4
の方が生き残ってたり。

いろいろ見てみると患者さんそれぞれでがんの個性も
違うものだなあ

と改めて勉強になる

で、残食道のバレットですが割と皆きっちりPPIをかかさず5年経過しても
飲んでる方が多くて「がんが治っても、近くの開業医のところでPPI処方
してもらってます」がほとんど。

それもあってか、ひどい逆流性食道炎になってるかたはそう
多くはなく

なってる方は、「週3日以上酒飲んでます」「PPIもよく飲み忘れてます」
な、ゆるい方々。

バレット様食道への予防と治療は 
「きっちり薬を飲み続けること+酒を減らすこと」ではなかろうか。

しかし、食道がん術後の5年経ったサバイバーの方

たばこはほとんどの方が「やめている」あるいは「禁煙している」
のに
「酒は週3日以上のんでいる」に丸をつけている人も結構いて

3日以上のところを赤で消して、「毎日」と書き直すツワモノも。

あれほど医者にきつく酒をやめろと言われているのにまだ飲んでる、、、

わ、、、この方も、、この方も、、、え、、、

「たばこは辞めるが酒は飲む」

恋ダンスですわ















by kenzaburou41 | 2016-12-31 06:44 | 手術後のアフターケア | Comments(0)

バレット様食道

食道がんの術後、「残った食道」てのがある。

え?全部取ったんじゃないんですか

いやいや食道ってのは咽頭から連続している消化管、管なんですね

そのちょうど胸の真ん中くらいに癌ができることが多くて

手術の時はおおよそ胸部食道〜腹部食道を胃の一部と一緒に
切除しますが

一部の食道が残ります

首の食道、頸部食道。

そんでもって胃と残った食道が繋がるんですが

術後はそのつなぎ目に、食事が詰まったり、朝4時頃酸っぱい液が上がってきて
目覚めたりと術後の生活は難儀します。

もちろん毎日ではないといいますが、

癌を体の外に退治した代償といいますか。

で、その胃には逆流防止弁が付いておりませんから
逆立ちするとゲボっと消化液が口まであっという間に
戻ってきますし

今まで通り、というわけにはいきません

のどの嫌〜な感じ、というのが特に不快だという方が多いです。

時に消化液は逆流性食道炎を引き起こしまして、
ではその食道炎が続くとどうなるでしょう

酸やアルカリの刺激に強い粘膜に置き換わる

これが円柱上皮化

バレット。

そもそもバレット食道は 食道切除した後にできたものをいうわけではないので
残食道にできた円柱上皮を「バレット様食道」というらしいのですが

欧米でいうバレット食道が癌の発生母地だからといって
同じ様に、残食道にできた円柱上皮から
すぐ癌ができるのか?

できたからといってショックを受けることなのか?

答えはノーでございます。

食道癌で手術を受ける、ということはステージ1〜3の進行した状況ですし
まずはそちらの再発のほうが心配です。

5年経って食道癌が治ったことがわかって

さあ次はなにが心配?

って時に「頭頸部がん」「肺がん」「胃がん」「大腸がん」などの新しいがん

そして高齢者では誤嚥性肺炎

バレット食道がんができて、それが命に関わるのはおそらく食道がんを克服して
20年くらい経った時でございましょう

食道炎が悪化しないようにするにはPPIでございます。 
あるいは今新しいP-cab、タケキャブでございます。

食道がんの患者さん、5年、10年経ってもみなさん
PPIは止めないできっちり飲んでる方が多いです。

そして調べてみると、
食道がんを克服して5年以上経過観察されて
いた食道がんサバイバーの方

意外に残食道のバレット様食道になってる方が少ない。

逆流性食道炎にもなってない方もいる

へ〜っ

患者さん偉いっ!

と内視鏡を見返しながら、ポンと手を叩いた年末でございます。

みなさま、おもちは吻合部に詰まりやすいので
ご注意くださいませ。




by kenzaburou41 | 2016-12-29 18:20 | 手術後のアフターケア | Comments(0)