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カテゴリ:手術後のアフターケア( 59 )

嚥下障害

術後の患者さんを悩ますのが食事だ。

食事を今までは大食い、早食いで食っていた
のが手術を契機に
「ゆっくりよくかんで」と言われる

仕事人間ほど,食事を早く食べるし

ランチたべて、優雅に紅茶飲んでる
場合じゃない

日本のお父さんたちは本当によく働くし

真面目に働いて、さてこれから老後だ
って時に食道癌に罹患する

食の楽しみを奪う食道癌は許せねえ

術後の患者さんは必ず、へこむ。

こんな状態でこの先やっていけるんだろうか

メディカルスタッフは常に気をつけなきゃ
なんない。

嚥下に適さない食品

適さないとは食べちゃいけないという意味ではない

最初に試すのは難しいですよという食品だ

水分、水、お茶,ジュース
酸味の強いもの、柑橘類、酢の物
ふかしいも、ゆでたまご、焼き魚
こんにゃく、かまぼこ、なめこなどの弾力の強いもの
のどにはりつく餅、焼き海苔、わかめ
粒が残るもの、ピーナッツ,大豆、納豆
繊維の強いもの、ごぼうやふき

こういったものは最初から食べるのは難しい

最初はとろみのついたものがいい

水分がまとまり易い
密度が均一
適当な粘度がある、ばらばらになりにくい
しっかりした濃い味
そういうものを最初はためす。

食べられないと落ち込む

これを補助するのが経腸栄養だ

いまや「胃ろう」を延命治療だと
決めつける風潮もあるが

腸に栄養が届くということは相当
いいことなのだ。元気もでるし免疫力低下を
防ぐ

最初はめんどうだけど経腸栄養とともに

前にすすもう、そしてにっくき食道癌を克服するのだ

ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2013-10-02 21:32 | 手術後のアフターケア | Comments(0)

残食道癌

食道癌は頸、胸、腹の3つの領域から発生する

多発することが少なくない

口腔咽喉頭がんとの重複がとても多い

食道を手術した方は,ある程度の高さで
食道を切除(亜全摘)しますので、一部の
食道が残存する

残存した食道を「残食道」といい、位置的には
頚部食道に位置する。


残食道にもまた癌ができることがあり

もともと頚部食道癌は狭い部分にあり
内視鏡での見落としが結構多い所。

進行して見つかると、周囲に気管や
頸動脈といった重要臓器があり、
「食事が通らず、出血死、
食道気管瘻から肺炎で死亡」
といった悲惨な状況に陥る

術後5年経って安心とはいえず、
むしろ安心しきった5年から10年の
間が重要。

しかし残食道癌が
SM癌で見つかった場合。

周囲のリンパ節はすでに普通なら
頸胸境界部は徹底的に
郭清しているはずで
(3領域郭清を基本とする施設は)

SM2でもSM3でも取れるなら
内視鏡でとってもいいんじゃないか

という仮説が成り立つ。

CRTを選ぶ施設も多いとは
思いますが

喉に当たると,結構、あとから嚥下障害
がきて味覚の消失、唾液がでない、
などの後遺症が起こる

ここ何例か残食道癌のESD
症例が続いてて


もしかして、結構たくさんやってるほうじゃね?

多くの患者さんは食道癌の手術を受けて
きた癌サバイバーの方ばかり

「できれば軽い負担で治療をしてほしい」

早く見つける事と

ずっと長く通ってもらう事

そして、状況に応じて治療法を充分吟味する
こと

食道癌の治療成績をもっと上げるには〜

メラメラ〜ッ、がんばっぺ


ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2013-09-19 00:41 | 手術後のアフターケア | Comments(0)

10年先

昔々はEMRの適応がかなり厳密で

1%でも転移の可能性があるものは手術

進行がんだろうが早期がんだろうがm1だろうが
みんな手術

という時代が長く続き

1990年代に手術を受けた
そのあと予防的に照射をうけた

という方が今も存命で

もう食道癌が治ったから大丈夫


と安心していたら、

胃管にがんが出来たり

残食道に異時性がんができたり

咽喉頭、口腔底癌ができたり


次の問題がでてきて、術後だけに治療法が悩ましい
ってことが出てきています。


とくに放射線治療があたってしまっていると

のどを残したい患者さんの治療法で放射線を選べなかったり
でいろいろ苦労をする



集学的治療といいますが、どの時点でどれを使って、
というのは選択が難しい場合があり。


「なんで不要な照射をあててしまったのか」

と思ってもその時代はそれが標準治療だったのかもしれないし


与えられた環境の中で、最善をつくすしか。
by kenzaburou41 | 2013-08-07 21:31 | 手術後のアフターケア | Comments(0)

重複癌

2000年食道癌手術

その後一切外来にこなくなり

2012年
 

↓ 



重複癌_b0180148_1374614.jpg





下咽頭癌指摘






病院に通院していても
発見が遅くなることがありますが






そんな患者さんの相談を
受ける度に





がん予防学にもっと予算を!





がんばらねば。



ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2013-04-27 13:12 | 手術後のアフターケア | Comments(0)

消化液の逆流

勘三郞さんが手術がうまくいって
病院を歩き回っていたのに

1夜にして嘔吐してその消化液が肺に
はいってARDSを発症し、死に至った

と週刊誌に書いてありましたが

ほんとの所は当事者でないとわかりません。

さてこの「嘔吐・消化液が肺に入る」ですが

食道の手術を受けた患者さんでなくても
起こりえる危険な状況です。

よく、食道癌の患者さんは手術のあと、
食事をうまく飲み込めずに、食べ物が肺にはいって
肺炎を起こす(誤嚥性肺炎)といいますが

多少食べ物が肺にはいっても
それを外に咳をすることで対応するので
そう怖くはありませんし

食事がもし原因ならすこし食事を休んで
あるいは食の形態を食べやすくすることで
対応できます


一番怖いのは

体を真っ平らにして寝る

何かものをとろうと前屈みになる

歯磨きのうがいでがらがらぺーっとする

などの重力にさからう行為。

もともとは逆流防止機能がある胃と食道の境目が
なくなるので、消化液は簡単に喉の辺りまで上がってきて

明け方のどがいがいがして目が覚める方もいらっしゃると
思います。



リクライニングつきのベッドで体を起こして寝る

背中の後ろに枕や座布団を敷いて角度をつけて寝る

10度以下にしないことがポイントです


肺炎を生じれば、たちまち栄養状態も悪くなり

熱もでて、体力をうばい、体重も激減です

体重は元気のバロメーター

毎日体重を量って体調管理を心がけましょう。


ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2013-03-30 00:53 | 手術後のアフターケア | Comments(0)

85

2005年にケン三郎が手術した患者さんが
再発もなく85歳を迎えました

癌は放置に限るという方針だったらとっくに棺桶に入ってる
だろうなあ

とおもいつつ、ついでに経過中に下咽頭癌までみつけて
こちらも内視鏡治療でコントロール


術後はいろいろと工夫をされて
「先生、ようやく逆流への対応策がわかりましたよ」

とうれしそうに話します。

手術を乗り越えて、85だから重みのあるお言葉です。

80で手術するかどうか迷っている患者さん。

気持ちが大事です。

ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2013-03-28 19:38 | 手術後のアフターケア | Comments(0)

サルベージ手術後のアフターケア

サルベージESD後にサルベージ手術って
そういえば以前やってたのを思い出し。

その方も深部断端陽性で

手術の切除検体にはしっかり癌がのこってた
から、結局は手術が必要だった、と
いう結果で

外科医でないとなかなかその辺のESD
やるやらないの判断は難しいかも
しれません。

サルベージ手術って簡単にいうけれど

放射線、抗がん剤、さらに手術

ですから

2回食道癌の手術を受けるくらいの
相当体の負担を強いる治療になります。

経験のない施設は「うちは危ないので
経験のある施設にお願いしています」

ということもあります。

さて、心配していた手術時の
縫合不全や胃管壊死、肺炎、敗血症
いろいろ乗り越えて退院しました

その後のアフターケアですが

やっぱり普通に手術を受けた
場合と

放射線治療後の手術後

回復には時間がかかり
なかなか食事も進まない
気力、体力もおち、体重もへって

近藤先生のいう
「癌は放置にかぎる」
という意見がいかにも聞こえがいい

そうならないよう、経腸栄養を続け
誤嚥をしないように体をしっかり起こして
寝る

歯磨きうがいをかかさず

38度の熱がでるようなら早めに
主治医に相談する

ご飯は、胃に負担をかけぬよう
何十回とかんで
30分以上をかけて食べる

体をしっかり休め

ときには漢方の力も借りて
体力の回復につとめましょう


ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2013-03-22 23:00 | 手術後のアフターケア | Comments(0)

胃管潰瘍

胃管潰瘍_b0180148_16145617.jpg


手術後

しばらく経過してから

問題になる、もので

「食べて食事がつかえる、なんとかならないか」

は吻合部狭窄なら拡張する方法で対応できますが

「食べてしばらくしてつかえる」は
容量オーバー、たべすぎですので、これは食事の仕方を
いままでと根本的に変える,慣れるしかありません



胃管の問題として、急に発症する怖い疾患として

「胃潰瘍」

があります。

これは、どうしてなるか、っていわれると
ピロリ菌やストレスなどが関連しているのでしょうけども

怖いのは出血、吐血、出血性ショックなどの
命に関わる問題がおきうるということ。

食道癌の手術を受けてみんながなるというわけでは
ありませんが、我々2-3年に1人くらいの割合で
「吐血、緊急入院、緊急内視鏡で
止血した」という経験があります。

一人は癌がすっかり治ってたのに
深い胃管潰瘍ができて胃に穴があいて
救えなかった、という患者さんもいて


「忘れた頃にやってくる」注意すべき晩期の問題かと
思います。


忘れないように書き留めないと。


予兆としては黒いタール状の便がでること。

ふらふら、食欲がない、胸が痛む、
など。


調子がわるければすぐに受診しましょう


ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2013-02-06 16:23 | 手術後のアフターケア | Comments(0)

内視鏡治療後の長期経過

食道癌は早くみつかれば治る病気だし

毎年リスクのない同じ人が
何度も何度も検査をうけるより

国民全員がある年齢で精密検査を
1回受けて

リスクの高い群と低い群にわけて
高い群だけこまめに

低い群はそれなりに

平均寿命を超えた
年寄りはお金のかかる検査は
しない,自費にする

ってやっていけば


若い働き盛りの人が
癌で苦しんでなくなることが
すくなくなり

手術や放射線や抗がん剤などの
つらいしんどい、命がけの治療を
せずに済むんじゃないだろうか?

年寄りがこれから増えるわけだし
湯水のように医療費を使って
いいわけがない

いろいろ思う所、あるわけで。

問題はその根拠を示さなきゃなんない。


「内視鏡治療後5年経ったら,経過観察を
打ち切ってよいか?」

と聞かれると、いやいや食道癌治療してなおった
人が、5年,10年たって頭頸部癌で
亡くなるってことを結構経験しているし

永続的に検査はしなきゃっ

でもいつまでやるの??

どれくらいの間隔で?

医療費ないんだけど。。。

と言われると、「費用対効果」が
重視される

明日は、今年最後の学会発表
「内視鏡治療後の長期経過」で。

いろいろな思いをぶつけてまいります。

ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2012-12-08 00:08 | 手術後のアフターケア | Comments(0)

胃管潰瘍

退院して術後経過観察中に
起きる胃管の問題

その1)胃管に癌ができる

その2)胃管に良性の潰瘍ができる

この2つです。

胃管に癌ができるので「いかんがん」
と呼びますが、食道癌術後,昔は
癌で亡くなったり、術後の合併症で
亡くなるというのがごく当たり前だった
こともあってこうした問題が起きることが
少なかったようですが

今や食道癌手術がうまくいって
当たり前、になりつつ今日

抗がん剤や放射線治療に
内視鏡治療といろんな選択肢が
増え

5年生存率も上昇し、食道癌で
長期生存できる方も増えて参りました。

すると,今度は食道癌以外のことが
問題になります。

一番は頭頸部癌、胃癌,肺がん、大腸がん
といった他の臓器のがんが別にできること
でして

5年経とうが,10年経とうが、食道癌の
患者さんは毎年必ず内視鏡検査を受け続ける
必要があります

胃管癌の進行がんの手術は非常に大変です
から、内視鏡で治る程度で見つかるように
早期発見が大事です。

もう一つの怖いのが「良性潰瘍ができる」

ことで、これもいろんな原因
(ストレスや鎮痛剤の飲み過ぎなど)がありますが
ものすごく大きな潰瘍ができると,大出血したり
胃管に穴があいてしまう。

お腹にある胃に穴があいても、緊急手術
で対応ができますが

胸の中にある胃に穴があくと
おおごとでして

周りにある臓器に交通していまい。。

「もし後縦隔再建」だったら大動脈につながって
即、出血死もあり。

「胸骨後」でも心嚢とつながって心タンポナーデ
で急変

食道癌は治ったのに胃に穴があいてそれで
死亡すること、そう多いことではありませんけど
も数年に1度はそういう方を経験します。


「なんとなく胸が痛い」

「便が黒っぽい、タール便がでる」

「熱が続く」

こうした症状のある方は、速やかに
主治医に相談しましょう。

胃潰瘍は、ほぼ薬で治ります。

ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2012-09-20 23:32 | 手術後のアフターケア | Comments(2)