カテゴリ:手術の合併症の話( 39 )

胃管気管ろう

外科専門医試験過去問

胃管気管ろうは、後縦隔再建後に認める重篤な合併症である

⚪️? ❌?

答えは〜

⚪️

食道癌の手術後の再建ルートですが


皮膚の下、胸板の下、それから背骨の前

おもに3つ。

もともと食道があった場所に胃を細長い管に
して持ち上げるのが「後縦隔再建」で。

生理的な形に近い、ということで好んで
用いられる施設もございます。

がしか〜し

胃管壊死や、縫合不全、胃管潰瘍など

持ち上げた胃に関するトラブルが起きた場合に
はその腹側にある気管にまで影響が及ぶことも
あり。

胃管気管ろうは、もっとも避けたい合併症の1つ。

「後縦隔再建の1%に胃管気管ろうを認めた」
ともいわれており

縫合不全率が高い施設ではあまり
お勧めではない再建ルートかと
思われます。


さあまた勉強するぞ!


ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2016-01-06 22:39 | 手術の合併症の話 | Comments(0)

術後1日目の内視鏡

食道の手術後1日目

内視鏡で声帯の動きをみたり

吻合部をみたり

胃管の色調をみて、虚血やうっ血がないかを
確認し、縫合不全や胃管壊死がないかの予測を
行う

いまや当科では当たり前にやってますが


まだまだ、術後の縫合不全の有無は
術後透視で診断してます、
っていう施設が大多数で


経鼻内視鏡はそういう状況においても
有効活用できるのに
知らない先生が多い

いままでの非常識を
どうやって常識に変えていくか


普及活動はつづくんですわ


ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2015-11-26 23:51 | 手術の合併症の話 | Comments(0)

縫合不全に拡張術

名古屋の内視鏡学会参加中のケン三郎。

食道癌の術後合併症、縫合不全。

縫合不全に吻合部狭窄が伴っていることがあって
透視をすると、穴が開いた瘻孔のほうに造影剤が
たまる

これではいくら待っても治らん

っていうわけで、せまくなった吻合部を拡張すると
早く治りますよ

っていう発表がありまして。

たしかに吻合部を広げると、穴のほうより、真の通過ルート
のほうに圧が逃げるので

瘻孔は狭くなり、治る方向に向かう。


なるほど~


あんまり経験はしたくないけど避けては通れない縫合不全。


起きても早く治ります、これはいいぞ~

めもめも~
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by kenzaburou41 | 2015-05-29 22:18 | 手術の合併症の話 | Comments(1)

合併症を0に

外科合併症カンファレンス

毎週、合併症が起きた症例を検討し
なぜ問題が起きたか、その対応は?

などを検討する会。

食道癌の手術は特にいろいろ問題がおきる

起きるけど起きるのは想定内で

稀に想定外のことが起きる

他の病院ではこれ手術は難しんじゃない??

という病気

たとえばサルベージ手術

ケモラジ後に再燃しました、もう手術しかありません

という状況で


合併症が起きる可能性も高いけど、ここで
外科医が頑張れば、元気になる可能性も残されている

しかし、合併症がおきればそれが死に至ることもあり

結果だけをみてマスコミにたたかれ
「どうしてこんな危ない治療をしたのか」

と責められるとなれば

ああ、リスクが高いですし、
手術できません、残念ですが治る手立てはありません

サルベージ手術はよそへ行って下さい

という外科医が増えてしまう

助かるかどうかの瀬戸際にいる患者さんにとっては
外科医が頑張るかどうかにかかっていて

あまりに報道が手術=悪
と偏ってしまうのもどうか。。


厳しいご時世だけど

全国の食道外科医のみなさん

熱いハートでがんばろう、


ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2015-03-25 22:59 | 手術の合併症の話 | Comments(0)

乳び胸

食道がんの術後合併症の乳び胸

過去の食道がん術後報告例では
死亡率も高いとされ

食道外科医にとっては、できれば避けたい
合併症

過去をひもとけば
術後早期に乳び胸と診断したら

即、人工呼吸器にのっけて陽圧呼吸とPEEPを
しっかりかけ、持続吸引+minoの癒着療法で
すぐ治った、という報告もある。

これにサンドスタチンやらエホチールやら
リンパ管造影やらを合わせてやれば
なんとかなるんでないかい?

胸管をしばりに行っても、うまくどこから
漏れるか同定できず、かえって乳び胸の
量が増えることもしばしば。

「先生は手術で止めると言ったのに、、
かえって増えるってどういうこと??」

手術は失敗したんじゃないか、、、

そういう不信感につながる。

でも、そういう経験は少なくなくて
胸管を縛ってもその壁からリンパ液が
じゅわ〜っと漏れ出せばまた排液が続く
ってことになり

決して外科医がヘマをした、という
ことではなく

出血よりもリンパ液が漏れる方が
治療が難しいんです

乳び胸を早くみつけて確実に止める方法を
確立できればかなりおおきな前進です。

いろいろ経験者から意見を
聞いて勉強しよっと。


ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2015-01-30 22:29 | 手術の合併症の話 | Comments(1)

手術死亡

こないだの学会で。

頭頸部癌と食道癌がともに進行がんで。

どっちにも放射線,抗がん剤をあてて。

食道癌が消失しなかったので、サルベージ手術を
したら原因不明の術死と1ヶ月以内に亡くなった症例
を経験した

てな報告が在り。

今話題の群馬大の腹腔鏡手術の死亡率8%
というけど

昔の食道癌の手術死亡なんて
20%くらいあったらしいし

サルベージ手術も、
同じくらい難しい手術には
まちがいない

予想しないような感染症が起きたり
するので免疫機構がかなり
ダメージを受けている事間違いなく。

抗がん剤と放射線と手術

全部組み合わせるというのは
相当体に負担がかかるということ。

それですごくうまく行く患者さんも
たしかにいて、とても治る見込みのない
余命3ヶ月くらいだろう、と予想した
患者さんが1年生きたり、もある。

しかし超進行がんに抗がん剤やって放射線やって
手術したけど結局は癌が再発して歯が立たなかった
というと

「もっと強力な抗がん剤を」

というのだけど

果たしてそうでしょうか?

食道癌患者さんは
検診を受けて「すごく早く見つかるか」

進行してかなり進んで見つかるか?

の2極化が進んでて

情報不足の患者さんはやはり深刻。


がん患者に寄り添う、のも重要だけど

もっとその前に情報をいきわたせねえと。

ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2014-11-19 00:42 | 手術の合併症の話 | Comments(0)

誠意

手術の悪い所

患者さんが合併症で亡くなること

大出血で術中死、手術前は元気だった
方が亡くなる

もあり

肺炎、敗血症、多臓器不全
と数ヶ月戦ったあとに
結局は亡くなる

もあり。

本人は無念だろうし
ご家族もこんなはずでは、、

医師も医療スタッフも救えなかった
命に心をいためる

「安心して手術を受けて下さいって
言ったじゃないか」

そうなんです、言ったんです確かに。。

亡くなったという現実に
手術のどこが悪かったのか、、、

先生は手術を勧めたけど

「放射線でもよかったんじゃないですか?」

そうかもしれません

手術で救えた命も一杯あるし

手を尽くして頂いて感謝していますよ

という方もいる

「誠意を見せろ」というならば

この難しい食道癌に勇気をもって
立ち向かう若い医師やスタッフに

へこたれずに、がんばろう

と声をかけ続けなきゃ

さあ,夏休みは終わりです

共に戦おうっ!

ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2014-08-28 17:09 | 手術の合併症の話 | Comments(0)

手術合併症

食道癌の手術を受ける患者さんの
半数にはなんらかの合併症が起きます。

いろいろと問題が起きて

2週間で退院といわれたのが1ヶ月、2ヶ月、
長いと半年に及ぶことも。

合併症を起こしたくて手術してるわけではなく

飯が食えない不満や管が抜けない不自由さ

なんとかしてあげたいけども
すぐには解決できないもどかしさ。。。

あとちょっと、ほんのちょっと頑張れば
食べられるようになるんです。

半年間よく頑張ったと思うんです。

もう少し時間をください
ゴールはもうすぐです

皆、あなたの味方なんですから、
グッとこらえて頑張りましょう、、

ぽちっとな

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by kenzaburou41 | 2014-07-10 22:19 | 手術の合併症の話 | Comments(1)

乳び胸と戦う食道外科医

今年も外科学会が近づいて来ました

食道外科医とはなんぞや

つらいしんどい立場にいる患者さん
にとっては頼りになる存在で
あり

ともに戦う味方。

「術後乳び胸」関連の採択演題が
多数ありましてその頻度
手術例の1〜2%位

保存的治療としては
術後3日経っても胸水700以上あれば
サンドスタチン一日300μg投与
エチレフリン塩酸塩同時投与

それでも効かないなら
リピオドールによる
リンパ管造影が有効で
ドレーン抜けるまで2週間
在院日数も1ヶ月ちょっとで
済むという。

リンパ管造影に必要な機材は
小切開セット、27G翼状針、リピオドール2A

足関節前面に2cmの切開を置き
脂肪をわけてリンパ管を同定し27G
翼状針を挿入後絹糸で縛り
リピオドールをシリンジポンプで
注入。5ml程入れて透視にて確認する

「今回手技をビデオで供覧する」

お〜っ見たい〜っ

春の京都〜

ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2014-03-25 07:02 | 手術の合併症の話 | Comments(0)

乳び胸その6

リンパ管造影のやりかた~鼠径編。

一般的には足背からのほうが浅くやりやすい
がそこでうまくいかない場合の鼠径。

場所はや深くなりますが

足のリンパ管を写す必要はないので、
うまくいけば、時間が短縮できそう。

鼠径部の動脈の拍動が触れるあたりを切開し

動脈を露出する必要はありませんがこの付近の
脂肪をよりわけていきますと

細いリンパ管がみつかります

これに小児科で使う27Gのサーフローでカニュレーションし
3-0絹糸で結紮

微量のポンプを用いて時間20-40ml・hでリピオドールを注入。


コツとしてはカニュレーションする前に、糸をリンパ管周囲に通しておくこと。


しばらく注入しているとリンパ管が裂けてリピオドールが漏れてきて
しまいますが、懲りずに他のリンパ管を探し

地道に何度もトライすることです。

うまくいくと透視で注入部位からリピオドールが進んでいくことが
分かります。

一見、うまくいってないのかとおもうと、ふと胸部、腹部の漏出部位から
リピオドールが漏れていることに気付くこともあり。

とにかく根気強くトライすること


成功に近道なし


ぽちっとな
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by kenzaburou41 | 2014-03-13 20:15 | 手術の合併症の話 | Comments(0)