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カテゴリ:放射線治療( 23 )

サルベージCRT

食道癌が手術のときに取り切れなくて、気管に一部が
残ってしまったときに、あとからケモラジはどうなんでしょう?

のお答え、追記です。

↓うちの施設の成績です。

2015 Jul;28(5):460-7. doi: 10.1111/dote.12217. Epub 2014 Apr 9.

Salvage chemoradiotherapy for locally advanced esophageal carcinomas.

Abstract

'Salvage chemoradiotherapy (CRT)' was introduced in 2005 to treat thoracic esophageal carcinomas deemed unresectable based on the intraoperative findings. The therapeutic concept is as follows: the surgical plan is changed to an operation that aims to achieve curability by the subsequent definitive CRT. For this purpose, the invading tumor is resected as much as possible, and systematic lymph node dissection is performed except for in the area around the bilateral recurrent nerves. The definitive CRT should be started as soon as possible and should be performed as planned. We hypothesized that this treatment would be feasible and provide good clinical effects. We herein verified this hypothesis. Twenty-seven patients who received salvage CRT were enrolled in the study, and their clinical course, therapeutic response, and prognosis were evaluated. The patients who had poor oral intake because of esophageal stenosis were able to eat solid food soon after the operation. The radiation field could be narrowed after surgery, and this might have contributed to the high rate of finishing the definitive CRT as planned. As a result, the overall response rate was 74.1%, and 48.1% of the patients had a complete response. No patient experienced fistula formation. The 1-, 3-, and 5-year overall survival rates were 66.5%, 35.2%, and 35.2%, respectively. Salvage CRT had clinical benefits, such as the fact that patients became able to have oral intake, that fistula formation could be prevented, that the adverse events associated with the definitive CRT could be reduced, and that prognosis of the patients was satisfactory. Although the rate of recurrent nerve paralysis was relatively high even after the suspension of aggressive bilateral recurrent nerve lymph node dissection, and the rate of the progressive disease after the definitive CRT was high, salvage CRT appears to provide some advantages for the patients who would otherwise not have other treatment options following a non-curative and residual operation


たった27例、「前向き研究」ではありませんが、手術で癌が残ってしまった方にケモラジを追加することのメリット。

1)ご飯が食べられることが確保できる 家に帰る道がつく。

2)瘻孔形成や大出血をとりあえず回避できる。

3)まだ治療としてCRTが残ってる。 

4)照射範囲を絞り込みができる 余計な照射をしなくてすむ。

小さく残ったところに照射することでCR48%で5年生存も35%だから悪くない。もちろん

いい症例を選んで手術をしているのでバイアスはありますけども。。。


とれるかとれないか分からなくても手術を選択する意義はある。


残ってしまってもまだまだあきらめないで!


ぽちっとな





by kenzaburou41 | 2020-03-28 19:52 | 放射線治療 | Comments(0)

手術をうけたくない患者さんへ

食道癌で手術を最初からうけたくない
という患者さんへの治療としては
抗がん剤と放射線治療がございますが

ステージ1で90%は治ったように見えて2-3割は再発、5年生存70%
と最初から手術を受けた場合よりも成績は悪く

ステージ2,3だと60%くらいはいったん治ったようにみえて半分は再発し
結局のところはリスクをかかえて、うけたくなかった手術を命がけでうける
必要がでてまいります。

こんなことなら最初から手術うけとけばよかった・・・

そういう方も残念ながらいらっしゃいます。

でもやっぱり手術をうけたくない

ってかたには「PDT」という治療が残っており

癌が再発して、急速にでかくなる前に治療をする必要があります。


放射線治療が終わってしばらくしてきいたかどうかをチェックしますが
ここで[粘膜下腫瘍様の隆起とびらん」がある場合は、実際は
食道壁の中で癌が勢いをつけて反撃し、暴れだす直前とも言える状態

治療のタイミングをのがせば、もう手はございません、
ということにもなりかねません

今日はPDTの講演を聴きましたが、
癌の再発が疑われるときは
毎週内視鏡をしてチェックするのだそうです。

ま、まいしゅう?

早い人では1カ月で急速に再増殖し、切除不能になることもある

うん、それはよく経験します・・

ですから我々は来週また内視鏡しましょう、再来週もやりましょう

とこまめにチェックをするのをお勧めしています。

へえ~、、

「癌が治ったかどうかわからない」のが放射線治療の問題で
診断するには時間的な経過をこまめに追う、そして
急いでPDT治療に入ること、が食道手術をうけずに救済できる
「生きるか死ぬか」の境目だそうで

なるほど・・・

手術を受けたくないなりに、こまめに内視鏡を受けて
チェックする必要があり

PDTも全国どこでもできる治療ではないのが問題で。

困った方に優しい治療を皆さんが受けられるような体制作りが
重要です








by kenzaburou41 | 2019-02-24 17:45 | 放射線治療 | Comments(0)

放射線性胃炎

症例は 72歳,女性.肝門部胆管癌で金属ステント挿入と放射線治療が行われ,外来で全身化学療法中であった.吐血で搬送され,上部消化管内視鏡検査で胃前庭部後壁に区域性のある脆弱粘膜から湧出性出血を認めた.放射線胃炎と診断し繰り返し内視鏡的止血を行ったが,止血困難で幽門側胃切除を行った.放射線胃炎の報告はまれであるが,上腹部に放射線治療歴のある患者で出血症状が生じた際は考慮すべき病態である.

難治性の出血

胃管にできた場合は?

by kenzaburou41 | 2018-10-12 21:36 | 放射線治療 | Comments(0)

頭頸部癌化学放射線治療の急性・晩期毒性

多くの頭頸部がん患者さんは濃厚な喫煙歴飲酒歴があり
口腔衛生管理がよろしくなく
もともとう歯や歯周病、歯の欠損など
その状態でがんの治療をすると、その状態が悪化する事がある。

唾液は1日1~1.5L分泌されるがこれのおかげで口の中をきれいに保ったり
粘膜を保護したり、唾液で飲み込みをスムーズにしたりという役割がある

がしかし抗がん剤投与>唾液細胞の障害による唾液分泌低下

放射線治療をおこなうことでほぼすべての症例に口腔内が乾燥、
とくに耳下腺に照射することで機能低下がおきるとされる。

照射がおわって2年たっても7割のかたは口が渇くのを訴えるともいわれる。

唾液がでないと虫歯ができやすく、歯周病、口腔内の感染>>生活の質の低下が
おきるので、歯科と連携して口腔ケアを必要とする。

頭頸部癌の放射線治療後の7割の方に味覚異常がおきるとされ
酸味、苦みにたいする刺激、味覚消失がおき、生活の質の低下が生じる

放射線やって1年くらいで生活に支障がないくらいに回復されるとするが
年単位でいつまでたっても回復しないものもあるとか。

放射線治療はそれなりに効果もあるし、声を温存できるとはいうものの

長期的な問題もあり、やっぱり早期発見がなにより大事で

明日は講演でそのへんのことをお話しようっと。






by kenzaburou41 | 2018-02-01 19:03 | 放射線治療 | Comments(0)

もとに戻らない

手術を受けるともとの体にはもどりませんが

放射線治療も[食道は温存されている」とはいえ
その後に生じる晩期毒性も結構なものがございます。

半年以降の晩期の有害事象は
放射線を当てた部分の毛細血管がダメージをうけ、局所の
血流量が低下し、しだいに組織が線維化(硬くなる)ので

もとにもどらず、永遠に硬くなったまま
という状況になります。

のどに放射線が当たった場合は
のどが硬くなるので

飲み込みにくい

唾液がでずに口腔が乾燥する(水を常時持ち歩かないと不快)

食道に放射線があたった場合は

肺が硬くなる=肺線維症から急性増悪、肺炎の悪化

心臓の周りに水が溜まる、動きが悪くなる、突然心臓が止まる

食道が硬くなり狭くなってものが通らなくなる

などの問題がある一定数で起こりえます


さらには放射線治療を選んだ方の半分が再発する、といわれておりますので

放射線を選んだ方は手術を受けた方よりも念入りにチェック
していく必要があります。

そうはいっても,全く元気にされている方
ゴルフにいったりテニスにいったり、
ももクロのコンサートにでかけたり、
もおりますので、みんながみんなそうなる訳では
ありません

手術 VS 放射線

ステージⅡ、Ⅲでは抗がん剤+手術が標準治療で
手術が嫌な方は放射線ですが

放射線が効かないときの手術は結構大変な負担になります。

治療法を選ぶ場合はそのメリットとデメリット

うまくいかなかったときにどうするか

再発したとき手術をするのか、しないのか

その辺まで含めてよく考えておく必要があります。


ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2017-08-21 18:52 | 放射線治療 | Comments(1)

放射線性皮膚炎の対策

食道がん、頭頸部がん。

のどに放射線をあてるという機会がすくなくなく

その急性期の問題として放射線性皮膚炎
がございます。

頑張って放射線をあてればそれだけ効果もあがるけども

高度の粘膜炎、皮膚炎は必発で

のどが痛くて食べられない、飲み込みのもつらい

こうした状況で治療を辞めれば、癌が消えずに生存率の低下をまねく
ことになります

よってなんとかその状況をだましだまし改善する方法を考えねばなりません

[放射線性皮膚炎」の管理ですが

洗浄と保湿

が基本でございます。

よく洗い、皮膚炎を予防、清潔に務めることが肝心です。

具体例:

治療開始時にヒルドイドクリームを患部にぬる。

赤くなってきたら、保湿と消炎を期待してアズノール軟膏を塗る

それでもまっかかになった場合にはアズノール軟膏にくわえて高吸収性の
デルマエイド処置

皮膚はよく洗って清潔を保持

さらに最近はグルタミンやアルギニンといった抗炎症作用、創傷治癒促進作用のある
栄養療法をくわえることで皮膚炎の発症を抑えるといった取り組みも
報告されております。


当たり前のことだけども栄養をしっかり取る、ということが
癌を倒すには必要で

いろんな側面からの患者さんサポートが重要のようです


ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2017-08-17 19:12 | 放射線治療 | Comments(1)

CR後の経過観察

食道癌の化学放射線治療

よく効きますが問題は1度治ったように見えても
半分は再発する

つまり、「治ったようにみえる」で安心できないということで

患者さんはいつ再発するか不安を抱えつつ
検査を受け続けることになります

たーくさん放射線治療をされてる先生に話を伺ったら

いったんCRに入ったらその直後は1ヶ月おきくらいに
内視鏡やってます、3ヶ月後とかいう先生は危ないですよ
とのこと。

患者さんはわあ、消えてるようにみえる、よかった

医者の立場からすると、患者さんと同じように
よかった、けど、、、まだまだ。
再増悪するものとして、危険を察知しなきゃいかん

心配だから毎日内視鏡受けます

っていうのはさすがにやりすぎですけど

1ヶ月おき、でもいいくらいCRになった直後は密にみて

もし少しでも再然の恐れがあればESDで削る

少し深ければPDTを適応する

あっというまに再燃して進行がんになった場合はサルベージ手術

ってことで放射線治療をたくさんやってる施設では
PDTあったほうがいいなあ、、、









by kenzaburou41 | 2017-06-16 04:16 | 放射線治療 | Comments(0)

JCOG0508

【目的】cSM1-2食道扁平上皮癌に対する標準治療は外科手術だが、術後の組織診断で粘膜内癌であることも経験され、このような患者は内視鏡切除(ER)で十分だった可能性もある。化学放射線療法(CRT)も治療選択肢になるが、局所の遺残再発や晩期有害事象への対策が課題である。cSM食道癌に対するERとCRTを組み合わせた治療の有効性と安全性を評価する。【方法】主な適格規準は以下の通り:cSM1-2の胸部食道癌、生検で扁平上皮癌または類基底細胞癌、画像診断でN0かつM0、病変は長径5cm以下かつ周在性3/4周以下、年齢20-75歳、PS0-1。登録後、原発巣にERを行い、病理結果が1)断端陰性でpM3以浅かつ脈管侵襲陰性では経過観察、2)「断端陰性でpM3以浅かつ脈管侵襲陽性」あるいは「断端陰性でpSM1-2」では予防的CRT(主たる解析対象)、3)断端陽性または組織学的評価が不十分の場合は根治的CRTを実施した。CRTは、5-FU700mg/m2、day1-4とCDDP70mg/m2、day1を28日毎に2回行い、放射線は1.8Gy/回で23回(予防的)または28回(根治的)とした。照射範囲は所属リンパ節を含む予防照射領域で、CT治療計画を必須とし、中下部食道癌は多門照射とした。Primary endpointは予防的CRTを受けるべき患者(主たる解析対象)における3年生存割合(3yOS)。主たる解析対象の予定登録数は、閾値80%、期待値90%、片側α=5%より82例とした。試験の判断規準は、主たる解析対象と全登録例の3yOSの90%CIの下限がいずれも閾値80%を上回った場合に、ERとCRTを組み合わせた治療が外科手術と同等と判断する。【成績】2006年から2012年に177例が登録され、同意撤回1例を除く176例でERが行われた。患者背景は、男/女:147/30、年齢:63歳(42-75)、病変長径:2.5cm(0.5-5.0cm)、cSM1/cSM2:114/63。ER後の有害事象はGrade3の食道狭窄が1例、CRT後はGrade2以上の晩期有害反応を8例(8.3%)認めた。主たる解析対象はpM3以浅かつ脈管陽性の15例(8.5%)とpSM1-2で断端陰性の72例(41%)だが、有害事象による中止2例と患者拒否2例を除く83例で予防的CRTが実施された。主たる解析対象および全登録例の3yOSは90.7%(90%CI:84.0-94.7)、92.6%(90%CI:88.5-95.2)であり、いずれの集団の90%CI下限も閾値を上回った。【結論】cSM1-2食道扁平上皮癌に対しER後の病理結果により追加CRTを考慮する治療戦略は、外科切除に匹敵する生存期間が得られ、標準治療の一つになり得ると考えられた。



sm1とsm2は全然転移頻度が違うんですが、、一緒に
検討してよいものか。

この治療の5年後、10年後の結果を引き続き見守りたいところです。

by kenzaburou41 | 2016-12-28 00:04 | 放射線治療 | Comments(0)

治るかわからん

食道癌の治療どれをえらぶかってときに

内視鏡治療は、組織を取ってくるけど、リンパ節までは
切除しないので、一部はそれだけでは不十分のものもある

手術は組織をとってきて、リンパ節まで切除してくるから
どれくらい進んでいたかが正確にわかる

この二つと放射線治療との違いは

そとに病気を取ってくる治療ではないので、
どこまで深かったかもリンパ節に飛んでいたかどうかも
一旦放射線治療が始まっちゃうと永遠にわかんない

わかんないけどよく効いたね。

じゃあ、もう癌は消えたんですか?
治ったんですか?

と聞かれて

う〜ん、どうでしょうねえ

まだなんとも。

この治るかどうかがよくわからん、、というのが
難しいところで。


まあでも患者さんは「手術うけるよりはマシだろう」

となるし

手術の合併症で死んじゃうと、「ほれみたことか
ケモラジがよかったやないか」となる


治るかどうかが事前にわかるといいのだけれども〜


臨床は難しいぜよ

ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2015-09-26 21:28 | 放射線治療 | Comments(0)

残念な論文

ケン三郎が2004年くらいに
症例報告した放射線治療後に急速に再発した
食道癌ってのがあるんですが

放射線やってすごく小さくなったけど
一部癌が遺残しました

2ヶ月後に内視鏡やったら
元の状態よりももっとでっかく
なって周りに壁内転移もたくさん
でて右頚部にぼこっとでっかい
リンパ節転移がでて

あっという間に亡くなりました

というもの。

今考えると、それほど珍しい
ことでもないし

癌が完全消失にならなかった時点で
先を見据えて手をうたなくっちゃ
いけなかったかも、、

ということ

しかしこういう進行食道癌には何やっても
歯が立たない可能性が高い

はやくサルベージ手術しておけば
よかった?

あるいはガンガンにDCFなり
TS1−アドリアマイシンーパクリタキセル

やったり

それで救えていたかとおもうと
甚だ疑問。

ああ,残ってしまったか、、
これでは癌の根治はきわめて厳しい、、、

と気持ちの中ではかなりショックを
うけながら

かなり小さくなってますと、
患者さんには治療効果を強調すべきか


全部正確に伝える必要は無いな。

予後がどうかなんて
誰にも分からないもの。

机の引っ越ししてたらそんな
論文がでてきて

いろいろ考えちゃいます。



ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2014-10-04 07:19 | 放射線治療 | Comments(1)