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<   2013年 11月 ( 27 )   > この月の画像一覧

強く禁酒を勧めよ

気管食道学会,今回のメインイベントは

[どういう人が食道癌のハイリスクか、
また酒がどう関わっているか?」の
基調講演。

まず食道扁平上皮癌が多いのは
日本/中国/台湾/西アジア

で、キムチやパクチーを食べて
結構食道癌がいそうな韓国/タイは
それほど多くない

アルコール脱水素酵素の遺伝子多型で
日本人の一割は下戸、酒が全く飲めない
5割は酒に強い人
4割は若い時コップ一杯のビールで
顔が赤くなり、だんだん酒が飲めるように
なった人。

このうち一番食道癌になりやすい人が
「だんだん酒が飲めるようになった人」

で、食道癌になった人がその後に
新しい食道癌や咽頭癌ができないように
するにはどうするか?

これはヨード不染の程度で決まるらしく。

まったくヨード不染がない群をA
10個以上ヨード不染がある群をC
その中間をBとすると

当然ながら、C群の人がまたでてくる
確率がたかく、5年の追跡で2人に1人は
また癌がでてくる!という。

C群の4割はアルコール依存症で
[絶対やめて下さい」ときつく言っても
半分の人は時間がたつとまた飲み始める
群にあたる

そうやすやすとはお酒を辞めない群
を治療にあたる

さてこのC群の方が
毎日1合,2合、4合と酒の量が増えれば
増える程また癌になる可能性が高くなる

[酒は百薬の長」というけれど
これらのハイリスクの人にとっては
明らかな発癌物質」であるので

医者として
「ちょっとなら飲んでもいいですよ」と
患者に甘いのは良くない、
「きつく禁酒指導」が医者としての立場。

他には
[熱い食事が好き」な方がなり易く

[野菜や果物を毎日食べる習慣がある」は
発癌リスクを減らせるそうだ。

酒をのむとひとの食道扁平上皮にDNA損傷が
起きる、この半減期が35時間である。

であるので、毎日飲むと毎日DNAが損傷
し修復されずに、粘膜がただれ、
血管透見が悪くなる

[酒を常習的に飲んでいるハイリスク」
の方は内視鏡でその色調を見ればすぐに
癌になりそうかどうかが分かる。

ヨード染色でどれくらい自分に不染帯が
あるかを50歳くらいで一度検査をうけて
おくと良い

そうすれば癌の予防につながる

我々も、大きな手術や放射線、抗がん剤
をしなくて済む。

食道癌で亡くなる方と乳がんで亡くなる
方と数はほぼ同じなのに

ピンクリボンなんて
キャンペーンもないし、

かたや無料クーポン(さすがにもう無くなりますが)

かたや、がん検診にも含まれていない

バリウム検診が続く限り
咽頭癌は見落とされる

これだけリスクが分かっているのに
国民が知らずに過ごしている


なんとかせねば。



ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2013-11-04 23:42 | 食道癌になりやすい人 | Comments(0)

細かく対応を


年々早期食道癌診断勉強会のレベルが
上がって、大阪や新潟,仙台、佐久から
も自費で東京まで来てその3時間を
勉強する

わけなので

血管との一対一対応ができてない
写真を提示する

もしくは臨床そのものの画像が
悪いもの

を提示するのは、診るものにとって
かなりのストレスになる

昨日の症例は、それが今ひとつできてない
だったので、申し訳ない、、、っ

めんぼくないっ〜

b0180148_7591450.jpg


今は、上の図のように
ホルマリン固定、切り出し後の
NBI BLI観察を行って

どこでどう切れたのかを記録して
おく

さらに気になるところは断面の
観察も記録しておく

ほら、これがAVA-sですよ
表面からはほんのちょっとしか
見えていませんよと言える。

AVA-sは腫瘍が血管を押しのけているので
輪っかを作っているように見えて、LPM
ですよと分かる

でも見たいのはもう少し左の
輪の大きい所です。

ここが切れてないと浅く診断して
しまっている可能性があって

深いなと思った所が切れてないケース

あるいはどうみてもSM2だなという
のが浅かったり,ホントにちゃんと切れているの
かが疑わしい場合もある

病理診断がもっとも信頼できる診断法ですが

こうしてみると、表面からの診断と
断面の診断は見ている面が90度
違うので

臨床側としては病理の先生に

「ここが深いからここをよく診てほしい」

と情報開示し

表面のここがみたいと言う所には
2点マーキングを置いて
その面を切ってもらう必要があるようです。

病理の先生はよき臨床医を育て
臨床医はよき病理医を育てる

全国の早期食道癌専門家さん

がんばっていい写真を撮ろう!

ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2013-11-03 08:22 | 早期食道癌診断勉強会 | Comments(0)

嚥下リハ

着色水で、飲んで下さいと指示したのが
喉頭内に残ってしまう場合

あるいはそこで咳が出てしまう場合

「もしかして食事すると咳がでませんか?」
と問診する。

経鼻内視鏡の利点は患者と会話しな
がら検査ができる
ということだ。

患者の訴えと,目の前にある所見から
「どうしてこの方は困っているのだろう」
を推測し、適切な治療へ早く導く

経鼻内視鏡を握った事が無い、
あんなもので癌の診断は出来ない
と思ってる先生がいたら、それは
古い常識で頭がカチカチな証拠。

左梨状陥凹に、カニが住んでるかのように
泡泡が溜まってる患者さん、かつ高齢者は
嚥下障害を強く疑う必要がある

「ええ、じつは食べるとむせてしまって
体重も10キロ減ったんです」

なにも悪性腫瘍だけが嚥下障害の原因ではなく
「加齢」故の嚥下障害ももちろんある。

外来にくる嚥下障害例はほとんどが軽い人
(食べると最近むせる事が多いなあ、という
お父さん,お母さん、じいちゃん、ばあちゃん)
には適切な嚥下指導法が必要

嚥下障害を訴える患者さんは
「上を向いて食べれば落ちて行くと思った」
とか
「食事は水で流せばいいと思っていた」
と誤った認識を持っている事もあり
これを詳細に聴取し、「何をどうやって
どれくらい時間をかけて食べていますか?」
と聴取しなげればならない

食事の形態として
むせにくい〜むせやすい食事というグレードがある

最も安心なものはゼリー

次がプリン

その次がヨーグルト

さらにミキサー食、きざみ食、全粥と続く

常食

ぱさぱさしたもの、パン、餅、おにぎり,肉塊
などは難易度が高い

「常食で水で流してます」でむせるなら、食事形態を
かえなきゃなんない

また嚥下の時に上を向くのはもってのほか

「あごを引いて」飲み込むは実は間違いで
正しくは
「お辞儀をして飲み込む」のが正しい

TVを見ながらとか、新聞よみながら〜
などの「ながら食い」はやめる

「一回量を減らし」「とろみを付けて」

「かつ一口ごとに咳を出す」

最近は「嚥下食のレシピ」など食事
の内容も詳しくかいてある本がでている

リハビリには「カラオケ」や「音読」
も有効。

食道癌術後の患者さんの嚥下困難にも
つかえそうな知識だ


耳鼻科から学ぶ事は多いぜよ

食道癌と頭頸部癌は切っても切れない
縁でごさいます

ぜひ気管食道科学会に入会を

会員倍増計画ですわ

ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2013-11-02 23:08 | 嚥下障害 | Comments(0)

クリニックでの気管食道科診療

気管食道科学会

食道外科医にとって、食事がとれない人に
食道がとれるようにする事

は一つのモチベーションであり

食道気管瘻で、水も呑めない方に
食道バイパス術を置いて、術後
食事がとれるようになったときの
患者さんの喜び

「水がこんなに美味しいなんて」

この笑顔が見られるだけでもやりがい
があるわけで。

しかし、嚥下障害、ひとえに食道癌だけが
その原因ではなく。

近年、超高齢化社会に突入し、嚥下障害例が
今後増えてくることは確実で、なんと75歳以上の
約3分の1が嚥下障害という報告もあるという。

「痰がつかえる」
「咳が出る」
など一見風邪にもみえる症状や
「薬の錠剤がつかえる」などで耳鼻科を
受診することがある。

内視鏡医もまた「食道以下を診ればいい」
という古い常識を捨て、咽喉頭に唾液が
溜まって観察がしにくい場合、特に高齢者に
関しては

「もしや、嚥下障害があるのでは?」
と疑ってかかる必要がある。

耳鼻科で行っている咽喉頭観察法のこつは
以下のとおり。

1)繊細な操作で嘔吐反射が起きないようにする
2)内視鏡の鼻からでている部分をまっすぐに
3)発声させて声帯の可動性と声門閉鎖不全のチェック
4)スニッフィングポジションをとり、左右に
頚部を回旋すると左右の梨状陥凹が展開できる
5)さらにmodified Killian(深くお辞儀をさせて
頬を膨らませると輪状後部と後壁の間が開ける
6)うまく行かない場合はのど仏自体を前方につかんで
前に引っ張る
7)着色水を嚥下させて喉頭に誤嚥していないかを観察する

ちなみにこれらは患者を椅子に座らせて医者が正面に
たった耳鼻科医の観察法である

もし,目の前に「咽喉頭異常感」「のどのつかえ感」
を訴える患者が来た場合、通常の内視鏡挿入
では観察不良部位がある。

咽喉頭の写真を1枚も撮らないのはもってのほか。

内視鏡医は、左側臥位、経鼻内視鏡を用いる
1)深くお辞儀をする
2)頸を前に倒したまま、下顎を前方に突き出す
3)あごの下に指をいれて前方に引っ張る(下顎牽引)
4)事前に患者に「大きく息を吸って一気にプーと頬を
膨らませてください、口はしっかり結んで空気が漏れない
ように」と練習させます
5)下咽頭の入り口に来たら,もう一度スニッフィング
ポジションを確認します。患者さんは必ず姿勢が
悪くなっていますので、一定の位置に戻しましょう
6)3秒で吸って7秒プーっと吐き続ける
ちなみにValsalva法とは、耳管開放手技のことをいうので
正確にはmodified Valsalvaというのが正しく、
またケン三郎の言ってるのはトランペット法だから
言葉は正確に使うようにと耳鼻科の先生に教えてもらった。

ちなみに嚥下障害のトリアージとして
耳鼻科での緊急性の高いものは
1)窒息
2)肺炎
3)腫瘍、神経疾患
だそうで、「腫瘍」ではなく「窒息」が最も
気を使うことだそう。そうか、だから
気管切開を躊躇無くやるのか、、

勉強になるのお〜

ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2013-11-02 22:41 | 嚥下障害 | Comments(0)

ARDSの呼吸管理

気管食道科学会は
耳鼻科医がほとんど
呼吸器内科医
食道外科医

が母体、食道咽頭の内視鏡治療をする消化器内科医が
入ればもっといろんな議論ができるのに

でも普段聞けない呼吸器内科医の
話も聞けてかなりためになるんですわ

今日は呼吸器内科の先生のARDSの
講演があって

「ARDSの新しい概念」っつーことで
聞いて来たんですわ

ARDSといえば、記憶に新しいのが
中村勘三郎さん

「食道癌の手術=怖い」
ってイメージをつけてしまった
けども、おそらくいろんな事情があって
の結果ですわ

この定義も最近ベルリン基準
というものに変わったらしく。

「発症から1週間以内、
R/F ratioが300−200を軽症
200−100を中等症
100以下を重症

X線で両側の肺浸潤影、心不全や
結核、ニューモシスチスは胃炎、急性好酸球性肺炎、
びまん性肺胞出血等の他の疾患を否定

急性肺障害(ALI)という定義はなくなった。

1980年代、ARDSの治療に
ステロイドパルスが盛んに行われたが
今のコンセンサスは逆に予後を悪くするので
ステロイドパルスは行うべきではない。

有効だと確認されたのは
低一回換気による「肺保護的人工呼吸」のみ

この保護的換気というのは
ARDSになると、潰れた肺には空気が
送られず、健常な肺にたくさんの
空気が送られるために、いいほうの肺も
過膨張してしまう

さらにPEEPをかけないと、肺が虚脱
してしまう

ということで、換気量をふやせばいいって
わけではないことが判明し、

一回換気量を6ml/kg(すくなっ!)程度にして
PEEPは10以上かけて、最大級気圧30以下、
PCO2が溜まるのは大目に見る(80くらいまで)

っつう、ちょっとふくらませてちょっとへこませる
って人工呼吸,low tidal volume+PEEPがいいそうだ。

これにいわゆる逆CPAPであるAPRVや
BiPAPなども有効。
軽症のARDSにはNIPPV(非侵襲的陽圧換気)が有効

さらにさらに、食道癌の術式で最近
注目を浴びている腹這い。

腹這いの人工呼吸、体位変換が大変だけども

ARDSはたいてい背中側の換気が悪くなるので
その換気の不均衡を改善させるには
腹這いがいいとのこと。

ARDS発症早期からやる
1日16時間以上やる
prone position+低一回換気人工呼吸を
専門施設にかぎってやったところ、
背臥位よりも予後が向上したとのこと。

ARDSは鑑別が重要だから
発症時にCTをとる、
さらに気管支肺胞洗浄(BAL)を積極的に行うべき
だとのこと。へえ〜っ。

知らなんだ〜ッ

また「ARDSは集中治療専門医が
治療にあたるのがよく、
ECMO(膜型人工肺)やPMX等の専門治療が
出来る施設にできるだけ早い段階で
送ってもよい、とのこと。



食道癌術後も残念ながらARDSを
発症する方がいて、
ひとたび発症すると死亡率も高い
のですが,懸命にケアをしても
悪化する事があり。

「昨日まで元気だった人が急変」
もあります。

食道癌の手術、昔は半分の方が亡くなった
のが今、全国的にようやく在院死亡3%まで改善
した所。

術前,生還するのが当然、と皆信じて
手術に望むのですが
回復困難なARDSも極稀に経験します。

術前にはご家族とよく話し合って
「もし万が一のことがあったら」
を決めておく。

生還のためにやっておくべきは

禁煙とはみがき、歯科受診
による歯石歯垢除去。

呼吸訓練を真面目にやること。

ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2013-11-01 22:56 | 術後管理 | Comments(0)

常識はずれの食道疾患

来年1月の食道色素研究会
テーマは
常識はずれの食道疾患
「いままで見た事もないような画像、その施設ナンバーワンの
びっくり症例」を集めて競う、記念大会です。

現時点で3題しか集まっておらず〜

募集中でございます〜

ケン三郎、じつは、
今まで経験したことのないような症例に
最近出くわしまして

「食道異物」

なんですが、、、

「え、こ、、、こんなものがはまったの?」

ていう症例で、ただ、病理がないので
うーん、こういう症例はどこに
持って行くのが一番いいのだろうか

食道学会?

いや,来年四国で開催される
気管食道科学会?

ほ〜ら、みんな気管食道科学会に
はいりたくなってきた〜?

高知県で開催される学会ですよ〜

食道異物のセッションが本日
ありまして。

「幕内チューブ、もしくはソフトキャップ大
に異物を引き込んで回収」

「1時間かけて取り出そうとしても
びくともしないものは手術」

「できることなら胃に落として腹腔鏡」

などなど。

明日も品川でやってますので
是非お越し下さい

ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2013-11-01 00:24 | 食道稀な症例 | Comments(0)

気管食道科学会奨励賞

今日から始まった日本気管食道科学会

ケン三郎の使命は
この学会の会員をあと3年で倍に増やす事ですわ

食道学会会員を誘って気管食道科学会
にも入会を勧めるんですわ

というのも、食道屋さんからすると
頭頸部のことを良く知る事でかなり
勉強になるんですわ

頭頸部のことを知らずに食道
だけやる

なんて片手落ちですわ

というのも
ケン三郎、今日、医者になって
初めて表彰状をもらったんですわ

「気管食道科学会奨励賞食道系の部門」で
見事一位になったんですわ

コツコツやってきたのがようやく
身になったんですわ


明日はシンポジウムで
発表ですわ

あーでも涙がでるほど
うれしいぜよ 

人から褒められるって
悪い気がしねえぜよ

祝いのポチっとな
by kenzaburou41 | 2013-11-01 00:11 | 講演録 | Comments(0)