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症例3

症例3は多発リンパ節転移有する進行食道癌。

取り扱い規約のごとく,リンパ節が
ボコボコに腫れている

106PREがすこーし腫れてて
101Rがさらに気管にへばりついている

さ声はないけど、、気管T4かも、、

っていう症例。

まずはDCFを3コース選択。

「いやいや術前というよりこれだけ
転移があるから術前ケモではないでしょう、
CRTじゃないでしょうか、、」

「たしかにこれだけ腫れていますし、
効かない場合はCRTを考えていました、
しかし頑張ればとれないことはないかも」

と考えて、まずDCFを3コースやりました。

「術前というには間隔があきすぎじゃないでしょうか
患者がちょっと期間を空けたいと言ってもその間に
進行する可能性もあるから、やるならやるで
びしっとやってはどうでしょうか」

「Grade4の白血球減少もでましたし、
ちょっとひよったのは事実です」

2コースやって効果があったけど
3コース目では一部増大傾向のあるリンパ節を
認めた。

「1コースで小さくなるのはよく経験しますが
2コース後に大きくなるのを経験しません??」

抗がん剤の効果は一時的、
治すというよりは癌を抑える、
遠隔転移を防ぐ

意味あいの様子。

またずっと効果がありつづける抗がん剤
もない。

よってどこかで治しに行く治療を選択する
こととなり。

108,110やや増大しましたが
取れると判断して手術に臨みました。

最初とれないかも、、とおもった
101Rは切除でき、さらに主病巣
もとれて、お、これはいけるかも

と思った矢先に110が大動脈に浸潤して
とりきれず。

主病巣にはものすごく効果があって
表在癌くらいまで小さくなったものの
リンパ節は遺残してしまいました。

「こういうときって、胸を閉じるときに
のちの放射線治療用に残った部分にマーキング
はするんでしょうか、それと
良く洗うんでしょうか、胃癌だと10Lで
洗えって言うところもありますけど。

あらって逆に左胸膜があいてて播種をつくるとか
そういう心配は?」

の質問に

「マーキングはしましたけど
特別多く洗ってるということはありません」

ああそういえば温熱療法とかいって50度の熱湯で
洗うって言ってる先生もいたっけな

「最近鏡視下になって蒸留水で洗うようになった
のですが、、」

いろいろ意見があって、
癌が遺残してしまったとき
の外科医の対応。

なんとか取りに行ったのに
反回神経にリンパ節が転移してた
とか
癌が明らかに残った

というときは、あとの余命まで
予想ができて
モチベーションも下がるもの。

しかし、切り替えが必要で
もう次の治療を考えている

そのためには合併症なく
無事退院させるというのが
大きな要素。

治療後速やかに
リンパ節転移のたくさんあった
頚部(40Gy)と癌がのこった下縦隔(60Gy)
に照射+化学療法しまして

今は再発なく元気にしていますとのこと。

ステージⅣaでもきれいに取りきれれば
5年生存率は4割と報告している
施設もあるし

取りきれる段階でない状況と
何やるにも大変で

ずーっと治療をつづけなきゃなんない。

化学療法×3、手術、放射線と化学療法、
さらに化学療法を続ける。。

精神的にも体力的にも
しっかりしてないと
受けられない治療です。

治療に難渋する患者さんを
いかにいい状態にもっていくか

まさにこの研究会の真骨頂。

もちうる治療法をすべて
尽くして日々患者さんも医師も
がんばっているので
あります。

日本に産まれてよかった〜

ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2014-06-15 18:52 | 集学的治療法検討会 | Comments(0)

脳転移

症例2は食道癌術後の脳転移。

Mtの食道癌でT3N1(106rR)M0 ステージⅢ

で、DCF3コース (70/70/750 mg/m2)
後の食道手術

で組織学的にCRだった,良く効いていましたよ
癌は治ってましたよ

抗がん剤でCRってかなり珍しいんだけど
癌は消えていた、、患者さんにとっても
医者にとっても、これは予後期待できそう

と思いきや
10ヶ月して単発の脳転移出現。

重鎮の先生が、抗がん剤が良く効いた症例では
意外に遠隔転移がでやすい印象がある、
油断してはいけないとのこと。

治療は
「開頭腫瘍切除+左大脳半球照射37.5Gy」を
行いました。

とのこと。

ここで考えるのは
肺や肝臓などの遠隔転移を心配して
化学療法は必要ではないのか?

という点。

放射線の専門家によると、
抗がん剤により増感作用はなく
逆に副作用が大きくなる可能性があるので
放射線照射中は、原則禁忌です

とのこと。

さて脳転移があった、opeと照射で
癌が消えた,追加治療で化学療法を
やる必要はどうか、

あるいはやるとしたら何を使うか。

脳に関しては,これ以上の治療は
おそらく必要なく、
全脳照射をやるかどうか?

「全脳照射で正常の脳細胞が照射されることで
どれくらいのジメンチアがおきますか、頻度は?」

これに関しては、起きる可能性があるが
頻度まではよくわからない、
若い方にやってどれくらい起きるかは
知っておく必要がありますね,今度調べてみます
とのこと。


脳転移のときはたしかに脳外科にお任せで
化学療法はやらないなあ、、と
思ってたけど。 禁忌とは。。


うーん知らない事が 大杉勝男です。

ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2014-06-15 10:08 | 集学的治療法検討会 | Comments(0)

第30回食道癌集学的治療法検討会

30回食道癌集学的治療法検討会
のテーマは術前DCF後切除例における再発治療
で。

食道がん、どっちを選ぶ?
手術か化学放射線治療か?

という2者択一という状況から

どの治療を選んだらどうなって
でも問題が起きたときに何を選択するか

というのが今の問題になりつつあり。

「術前DCF」

これは一般的に今行われている
FP2コースよりも強力な抗がん剤治療で

効果もあるけど、副作用も強い治療

ハイリスクハイリターン、
いいこともあるけど悪い事もある
よって治療時にはより慎重に。

ということで。この治療をまず手始めに
開始した3例が集まりました。

症例1)
Mtの進行がんで 104Lに転移陽性。
UICCではステージⅣ
食道癌取り扱い規約ではステージⅢ

まずDCFを3コース。
原発巣縮小、リンパ節はSDで 
切除にいったけども104Lのリンパ節
は病理学的には取り残し疑い

pT3 n3(101L104L106rL 108 109L
110 112 1,3,7 13/38) ly2v2

と3領域転移陽性かつ転移個数13個。

予後悪そう、、、すぐに化学療法開始か、
はては残った所に照射か。

患者さんの本音としては
うーん、、、ここで一休みしたい
というところ。

食道癌の怖いところは
これで済まないという現実。

数ヶ月後に腹部・頚部に再発
確認しましてさあどうするか。

全身病と考えて化学療法
として次のTxはなにか。

5FU+ネダプラチン
放射線を頚部に66Gy
腹部に54Gyやりました。

頚部リンパ節で遺残して
時間をおいて再発して、、
すでに緩和的化学療法のレベルでは、、

放射線腹部に54Gy
頚部に66Gyというのは線量が
多いのでは、、、

腸管に当たると出血や穿孔の問題が
生じる可能性もある。

とはいえ、医者の立場からすると
なんとかこの患者さんを治したい
と思うもの。

その後化学療法を3コース行いました
ところ、near CRとなりましたが、
また増大してきておりまして、、、

さてポイントとして
DCFをつかっちゃったあとの再発時に
何を化学療法でつかいますか?


ここでつかったネダプラチンはもちろん

パクリタキセルはどうか、
DCFでダメだったのに使えるか、という
問題はあるものの

放射線と同期させてweeklyにやるのは
ありかと。

さらにイリノテカン=奏功例もあるので
やってみる価値はある

関西でよくやってるFAPは?
これもありだけど、最近は下火?

VP-16  経験が少ない、ほとんどが
2剤併用で単剤で効くのはあまりない


手術して癌が残った場合に
保検適応のある治療を続けて
治療がよくきいてもまた癌が
再発し、制御不良となるまでは約1年。

この1年をどうサポートしていくか。

アクセルとブレーキ,
安全運転の真骨頂。

1秒、1分、1時間、1日が大事で

あすの1日を大事に笑って過ごせるよう。

ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2014-06-15 09:48 | 集学的治療法検討会 | Comments(0)

15回頭頸部表在癌研究会

食道癌集学的治療研究会をおえ

内視鏡学会関東地方会でBLIの
講演を聞いて

頭頸部表在癌研究会にでてましりました~っ


頭頸部表在癌の治療前にはまずValsalva法やKillian法を用いた
咽喉頭展開をもちいて下咽頭喉頭をよく伸展させて観察する

そして輪状後部や食道入口部に異常がないかを確認する

のが研究会レベルでは、すでに常識になりつつあり

これをやらずに咽喉食摘になりました、外切開になりました
というのはオーバーサージャリー

とくに食道がんにかかって放射線治療・手術をうけて、5年以上たって
さあ安心だとおもった5年ー10年の間にかかる頭頸部癌

あるいは頭頸部癌で放射線治療をうけたあとにできる食道癌。

こいつらは、定期検診を続けることで必ず治せる。


酒を飲み続けるなら口腔・咽喉頭・食道のトータルケアを!


ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2014-06-15 05:59 | 頭頸部表在癌研究会 | Comments(0)

3連チャン

明日6月13日(金曜)は第30回食道癌集学的治療法検討会
がいつもの大手町KDDIホール2Fにて18時から開催されます。

テーマは術前DCF療法後切除例における再発治療

というわけで、

DCFやって手術やって、だけど再発してしまった

使うのは放射線と化学療法。

DCFつかっちゃったら次なに選ぶ?
いきなりラジ?それともケモ?

食道癌ならではの、次の一手をどれを選択するか
再発の場所にもよるけどいろいろ考えなければ。。

明日みなさんお会いしましょう

翌日土曜日は頭頸部表在癌研究会。

ケン三郎は下咽頭輪状後部癌にスポットをあてます。

そして土日二日間は内視鏡学会関東地方会

ケン三郎は人生初の、主題セッションの座長をつとめます。
しかもテーマ「経鼻内視鏡」で。

食道、咽頭の経鼻といえばケン三郎

この3日間、実りある週末になりますよう

そして美味しいビールを飲めるよう
がんばろうっと。

ぽちっとな

by kenzaburou41 | 2014-06-12 20:23 | 学会奮闘記 | Comments(0)

食道学会迫る

7月3,4日に食道学会が迫り、そろそろ準備にとりかからねば
という時期なんですわ

食道大好き人間にとってはこの2日間は
たっぷり食道のことを学べる機会で

しかも会長はケン三郎の師匠、
すぐそばで教えてもらってた先生が会長だなんて

すごい喜ばしい限りですわ

食道だけで国内に学会ができるっていうのは
世界ではほとんど例がなく、日本が唯一。

難しい食道癌の治療をどうにかこうにか
うまくやろうと、日々手に汗にぎりながら
仕事をしている専門集団の集まり

いわば、同志が集まる会なんですわ

ここでいろんなことを学んだし

これからも毎年この学会は参加しなきゃなんない。

そしてすぐにそれを明日の診療に役立てる。

あ~楽しみで仕方がないけど。

もはや、ケン三郎も教えてもらう立場より
教える立場になりつつある

日々の仕事の成果を
存分に発揮できるよう、あと数週間
みっちり作戦を練るんですわ

どうだ、食道の世界面白いだろ、やりがいあるだろ
最後まであきらめない医者がたくさんいるだろ?

日本の食道屋は世界一だぜ

若い人、一緒に食道やろうぜ

そしてうまい酒が飲めるよう

みな、日本食道学会を盛り上げよう!

ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2014-06-11 19:19 | 日本食道学会 | Comments(0)

師匠をみて弟子は育つ

外科のお偉いさんというと
手術例がうちはこれだけあって
5年生存率がこれだけで
死亡数がこれだけ少なく
時間も短くて
しかも最近は鏡視下で~

と、前に前にでて

●●学会会長、関連病院から酒を集め
OBからうん十万円の寄付金を集め
盛大に懇親会を開き

どうですかこのお祭り、、と

会員にその力をみせつける。

ケン三郎の師匠はというと
とにかく仕事熱心で現場第一主義で
あまり前に前にでるのが好きではなく
部下思いで

すごいことをしているのだけれども

それが当然当たり前ですよと

患者さんには自然体で、怖がらせたり

それをひけらかしたりしない。

しかも

部下の手柄を自分のものにするような先生ではなく

部下をのびのびと仕事させるのが自分の役目と
いいきる。


いい上司にであってケン三郎は本当に
よかったなと感じます。


盛大な懇親会はできないけれど

地道に患者と向き合う姿勢こそ、「粋」というもの。

自然体で難しいことを簡単に見せる


カッケ~。


男は黙ってサッポロビール

ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2014-06-08 21:01 | 大ボスの格言 | Comments(0)

volume-quality relationship

食道癌の手術

食道手術を毎週のようにやってる施設と
月1くらいはやってるという施設
まあ半年に1回あるかどうかという施設

どこで手術をうけるのが安全か
というと

当然症例数が多い所の成績がいいわけで。

2001-2006年の日本胸部外科学会の調査によれば

年間症例数  30日以内死亡率   在院死亡率

0-4     2%       6%

5-9     1.5%      4.7%

10-19   1.3%      4.2%

20-39   1.3%   3.2%

40-79   0.7%   2.2%

80-     0.6%     1.8%

ときれいなカーブを描き、症例が少ない施設と
症例の多い施設では3倍違いがあったとのこと。

これをvolume-quality relationshipとよぶそうです。

というと、この施設間格差。
6%死亡する施設と1.8%死亡する施設
どっちを選ぶ?

やっぱり大病院がいいんじゃね?

ということになり。

小さい病院でもたくさんいままで食道の手術を
こなしてきた先生はいるのに患者さんが
やっぱり●●センターに行きます、●●大学病院に
紹介してください

っていう傾向が最近は顕著になりつつあります。

東京都内なんか激戦区で
こっちだっていい治療してるのに、
患者さんが逃げていく。

どうぞどうぞ行って下さい

「やっぱり日本一多いところがいいんだろう」
素人判断ではそうかもしれませんが

毎週のように手術がある施設とではそう変わらないと
思います。

かつ、この日本は高額医療費制度で、
本来は食道手術200万円かかるのが
たったの月8万円で済む

8万でも高いと感じる人もいるだろうけど

いやいや、日本だけです
こんな高いレベルの治療が受けられるのは。


ただし大病院に集中しすぎるのも問題で
マンパワーと入院ベッドには限りがあるので、
手術は2-3か月待ちです
といわれることもありうるかもしれない

どっちを選ぶ?というより

どの病院を選ぶ?


ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2014-06-08 17:36 | 手術と放射線どっちを選ぶ? | Comments(2)

内視鏡を握らない外科医

昨日新潟で講演に呼ばれて
行って来たんですわ

食道が専門だけども
食道と下咽頭の「ただならぬ関係」
に注目すればするほど

頭頸部の観察に興味を抱き
見落とし見落としの連続
でこりゃまずいと観察法を
アップデート

今では多くの内視鏡医が
間違った内視鏡挿入法を
習って今日までそれになんら
疑いももたずに検査を行っている

とまで思うようになり

外科医だけども、
新しい内視鏡挿入法を
提言してきたつもり。

でも、気になる話を聞いて。

最近の外科医は手術で
切ることにしか興味をもたず
自分で内視鏡診断したり
内視鏡治療をしたり
ということから極力手を
引こうとしている傾向にある
とのこと。

え〜〜っ、、まじすか???

もったいないっ〜。

食道で「この病気は最初から手術したほうがいい」

という決断は相当勇気のいる作業

それを他人に任せるなんて、、
なんともったいないことでしょう

「俺たちは内科医が切れと行ったら
その通りに切るし、それが俺たちの
仕事だ。診断は俺たちの仕事じゃない」

いやいやそんな〜

診断して,切って、その結果が
あってたかあってなかったか
その一連の作業の面白さが
「決断力」を磨くというのに。

全国どこでもそうなんだろうか

いいのか食道外科医そんなことで。

幕内先生が泣いている

オイラはそうはならないぞ

ぽちっとな
by kenzaburou41 | 2014-06-07 00:23 | 研修医のみなさんへ | Comments(0)

折れない心

術後早期に胃管部分壊死・ARDS・再挿管・
MRSA腸炎・乳び胸とありとあらゆる
合併症を併発し

低空飛行ながらもなんとか目的の
「食べられるようになって、元気に歩いて帰る」
を目標にできそうな状況がみえてきた。

ここで大事なのがリハビリ

長期のベッド上生活で足が細く
昔簡単にできてたことが簡単にはできなくなった
状況

ここで、これからの生活を左右するのは
「折れない心」


脳梗塞になって、嚥下障害を生じた患者さんが
リハビリを続ける中
「絶対良くなってやる」と強い気持ちを持って
続けたら、周りもびっくりするくらいの回復を
みせ、通常通り食べられるようになったそうです。

うまくいかないとき、心が折れること
は多々あるでしょう

しかし、気の持ちようで、その後の回復もだいぶ違うそうです。
今、うまくいかなくても、根気よくリハビリする
こと

あれだけの状況を克服できたんだから

是非、
「折れない心」
をもって共に戦いましょう


ぽちっとな








































































by kenzaburou41 | 2014-06-06 21:37 | 手術後のアフターケア | Comments(1)