1993年に概念が明らかとなった
比較的新しい病気である好酸球性食道炎。 今日は気管食道科学会専門医大会で 基調講演をきいて参りました。 食物やカビ、花粉などがアレルゲンとなって 消化管にアレルギー反応を起こす疾患を 「好酸球性消化管疾患」といい このなかで食道に異常が生じるものを 「好酸球性食道炎」という。 健常者では食道に好酸球は存在しないが 食道の上皮層内に多数の好酸球浸潤が 認められるアレルギー性疾患で、 中年の男性、喘息などのアレルギー性 基礎疾患をもち、嚥下障害や胸のつまり 感を訴える。 米国では10万人に55人 日本では2万2千人検査して4人(0.02%) なのでそれほど未だ多くない疾患。 なぜか好酸球性食道炎患者の ピロリ菌感染率は20%程度と 低いことがわかっており 胸焼けなどの症状から最初 GERDとの鑑別が必要となる疾患。 末梢血の好酸球、IgEの上昇などが あるが診断の決め手にはなりにくく まだ検討が必要だそうで。 もっとも特徴的なのは 内視鏡的に 洗濯板のような縦ひだ、白斑、輪状しわ (あたかも気管の様な) があること EUS、CTで食道粘膜下層の肥厚、 そしてできれば5カ所くらい生検 して上皮内に好酸球が20個/HPF(400倍 の高倍率視野)以上あること を確認すること。 などなど。 「嚥下障害」を訴える中年男性で 内視鏡的には異常がないとしても 好酸球性食道炎であることが 10−30%あるとされるので 頭の片隅に「もしかしたら」 と念頭において生検すること。 う〜ん、、勉強になったぜよ もしかしたら 見落としてるかも。。。 いっちょ見直してみるか ぽちっとな #
by kenzaburou41
| 2014-04-14 00:21
| 嚥下障害
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進行癌で周辺臓器に浸潤があるばあい
まず根治的手術をすることはなく、 抗がん剤、放射線、ステントといった 非手術治療が選択されます。 放射線治療で癌が小さくなった けど癌が完全消失しなかった あるいは消えたように見えて 再発してきた この場合は急速に癌がぶりかえす ことも少なくなく。 「嚥下訓練を一日100回やった」 「なるべくよくかんで嚥下に集中した」 と本人や家族が一生懸命やっても 飲み込みにくく、その意欲とは裏腹に 癌は進行していく この辺が、癌がないリハビリ患者さんと 癌がある患者さんとでの大きな 違いで 我々も、手術でとりきれるだろうか いや取りきれないだろうからせめて バイパス路を作って上げようか もし手術で合併症が起きたら 頑張ったけども食べられずに亡くなる こともあるかもしれない あるいは取り残したら あっという間に癌が進行してしまい 結局そのまま亡くなるかもしれない 何もしないで胃瘻だけでその後を 過ごした方が長生きするかもしれない でも、、、 食べさせたいっ。。 ポテチ1つでも。。 癌の嚥下困難をなんとかするには やっぱり安全な手術を提供するに 尽きるだろうし 定型的な手術よりかは その人にあった負担の軽い方法を 提供すべきで。 難しいからこそ 専門家の腕の見せ所。 「短期的、中長期的な希望や見通しを たててあげると前向きになる」 言葉一つで患者さんのその後の 人生も大きく変わる ちいさな喜びを大事にせねば。 ぽちっとな #
by kenzaburou41
| 2014-04-12 00:59
| サルベージ手術
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今日は院内で、嚥下の講習会があって
重度の嚥下障害をわずらった患者さんから 直接、嚥下訓練への取り組みを 聞く機会がありまして。 「もう食べられないでしょう」と胃瘻を造り 半ばあきらめムードのなか。 患者さん自身が 「なにくそ、絶対良くなってやる」 と リハビリを懸命につづけた結果、 食事を飲み込むことができるようになったという。 「これだけ医師や看護師、理学療法師が 一生懸命なんだから、期待にこたえなきゃ、 あきらめてたまるかという思いでやってきました」 そうだ、最後は患者自身ががんばらないと。 病気になったのも自分 克服するのも自分。 俺らはそれをサポートする脇役でいいのだ。 主役は患者さん自身だ ぽちっとな #
by kenzaburou41
| 2014-04-11 20:57
| がん患者学
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4月13日に京都で日本気管食道科学会の認定医大会が
ひらかれそこで昨年受賞した奨励賞の記念講演が 行われるんですわ 舌根を正面から見る方法として 経口内視鏡では観察が難しい所を 経鼻内視鏡ならだれでも簡単に観察できます 「中咽頭反転法ケン三郎スペシャル」 っていう手技ですわ 鼻から内視鏡をいれる 口をできるだけ大きく開ける ベロを外につきだしてあっかんべ- エーと声をださせる 内視鏡アップアングルをフルにかける 拡大内視鏡不要、NBIも不要、経鼻だからこそできる 簡単な手技ですわ 記念講演がなんと20分もあるんですわ これからスライドつくりですわ そんなに話すことはないんですわ でも賞をいただけるなんて光栄ですわ これを消化器内視鏡を握る全世界の内視鏡医に 経鼻内視鏡を広めることがこれからの目標ですわ ちいさな事からコツコツと。 ぽちっとな #
by kenzaburou41
| 2014-04-08 20:55
| 学会奮闘記
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どうしてここまで進行してしまったのか、、
という切除不能食道癌。 大動脈や気管に浸潤した 食道癌の治療は大出血や 食道気管瘻といった 大問題を将来かかえ、 しかしそれでもいい治療を提供したい もの。 切除不能食道癌に有望な治療としては 1)まず食道バイパス手術をおき、 のこった食道にヘビーなCRTを当てる =とりあえず食べる事がまず確保され なにより食べながら通院できる 2)まずヘビーなCRTをガツンとあて CRを目指す、CRにならなかったら サルベージ手術もしくはESD 3)予後が悪いわけなので、全身病として 出来る限り化学療法で粘る、効かなくなったら 最終手段としてRTをあてる。 だいたいこの3つ。 CRTの仕方としては従来から5FU-CDDPと放射線 が標準的でしたが 最近では、ドセタキセル+FPいわゆるDCF +放射線治療も注目されており 先日の外科学会でも FP-RTとDCFとDCF−RTを比較して DCF-RTがもっとも成績がよかった 生存期間でいうと FP−R、DCFが半年しか生きられなかった のが DCF-RTだと1年半と約1年予後を 延長できた との報告がありました。もっとも 少数例の検討ですので 今後安全性など、 いろいろ多施設での検討が必要ですが 「現時点で切除不能食道癌の 最良の方法では」 とのことです。 ぽちっとな #
by kenzaburou41
| 2014-04-08 06:25
| 切除不能進行癌
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