ステージ4bというとすでに食道がんが
遠隔臓器やとおいリンパ節に転移していて 一般的には治ることは難しい病状。 「もう歳だし、きつい治療はうけたくありません」 「抗がん剤をやると命が縮むのでしょう?」 と標準的な治療以外のところにばかり目がいくようになり 医者よりも、食道癌のことはなんにもわかってないプチ専門家の 「治療がきつくなくて治る」「食事療法」「なぞの壺」 など民間療法に傾く方がいらっしゃいます。 確かに、抗がん剤やっても効果がなくてあっという間に亡くなったという かたもおりますが 最近は免疫チェックポイント阻害剤の登場で 抗がん剤との組み合わせによって 頻度は低いながらも、治療効果があるかたもいらっしゃいます。 なのでなんらかの標準治療はうけてみて それから効果がでなければまたそこで考える というスタンスのほうがいいのではないかと。 聞かれたらそう答えることにしています。 治らないにしても食道の専門家は どうやったら食べられるだろうか どうやったら家にいる時間を長く過ごせるだろうか どうやったら苦痛がすくなくいられるだろうか いろいろと作戦を考えて行きますので 諦めないでよく主治医の先生と相談しましょう #
by kenzaburou41
| 2023-02-19 23:02
| 新しい治療法
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昨日今日と気管食道科学会の専門医大会があり
「頭頸部癌治療後の嚥下障害への対応」 つう講習がありまして。 進行頭頸部癌への手術治療は生活の質を大きく損なう 下咽頭がんにのども食道の一部も切除する手術をおこなうと 声はうしなう、味覚、嗅覚がわかならい、鼻がかめない、うんちするときいきめない、 さまざなな高度機能を失います こうした生活の質の低下により頭頸部癌患者の自殺率は 米国では一般人の4倍も高い とされています。 で、声をのこしたいがためにケモラジを選択するかたも がんが治ってよかった、という場合でも 長くみてると唾液が出ない 口がかわく のみこみがわるい 唾液がでないので虫歯になって歯がボロボロになる さらには嚥下障害、誤嚥性肺炎と 時間が経ってからの問題も生じます。 そんでこうした嚥下障害には看護領域でも重要な役割があって 摂食/嚥下認定看護師が中心になって患者さんのQOL向上にとりくむ のだという。 2022年からは「摂食嚥下機能回復体制加算」 として週210点の加算がとれるとか。 内視鏡医が介入できるとすれば 結構、頭頸部がんケモラジ後の方で 食道入口部が狭くなっているかたがいて こうした方が「飲み込みが悪いけど、いつも頭頸部外科の先生 には仕方がないよ」と1−2年そのままにされてて 消化器内視鏡やってみたら、入口部が狭い。 消化器内視鏡医も、そんなとこ拡張しT穿孔でもしたら えらいこちゃと自らすすんで拡張はしない んで、狭かったですよーでお返しされるパターンが結構あるんじゃないだろうか。 ちょっと調べてみたいとこです。 多職種連携大いに重要。 #
by kenzaburou41
| 2023-02-19 22:40
| 他臓器重複癌
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食道癌と頭頸部癌
ダブルで罹患したかた 芸能人でいうと立川談志師匠や 堀ちえみさん 秋野暢子さん 一度に全部みつかるかたもいれば 食道癌になったあとに下咽頭癌がみつかるかた 下咽頭癌が見つかった後に食道癌が見つかる方 ケースバイケースですが 病気になったら酒を控えるけど しばらくしてあ、大丈夫じゃね?おれ根治したんじゃね? というタイミングで またお酒を始める方が一定数いらっしゃいます なんども癌ができては治療を繰り返す方 お酒は辞めてるんですよね? と聞くと あ、、いや、、、まだ、、 下咽頭癌になったかたは声を失うリーチ なんですけど え? そうなんですか? なんどでもELPS出来るって聞きましたけど・・ いえいえ、だからといって。。 リスクを背負うことはなるべくひかえましょう わかりました、今日からお酒を控えます でもなるひとはなるんですよね、、どうしたらいいんでしょう? 癌の原因は老化です。 老化はだれしも避けられません でなるべく若々しくいられるには 体にいいこと というと お酒に頼らずにできる ストレス発散法を見つけること 食生活の改善 緑茶 緑黄色野菜 寝不足禁止 十分な睡眠 運動 散歩 ゆっくり長い距離を歩く 人とのスキンシップ H でしょうか 食道癌の予防は禁酒が第一、間違いないっ #
by kenzaburou41
| 2023-02-19 10:05
| ケン三郎に聞く質問コーナー
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「慢性アルコール性食道炎」に特徴的な画像 食道の病名の中でよく知られている2大疾患は 「逆流性食道炎」と「食道癌」です。 かたほうの「逆流性食道炎」は良性疾患のメジャー 胸やけや酸っぱいのが上がってきたり、のどの違和感や咳の 原因となったり症状になやむかたもいてお薬もそれにあわせて いろいろなものが開発されて、研究もさかん。 「食道癌」もみなさんご存じ、放置すると食道がつまって 食事は通らない、声はかすれる、体重が減る、転移する、、、 これも手術や内視鏡治療、抗がん剤に放射線、免疫チェックポイント阻害剤 とさまざまな治療法が開発され、研究もさかん。 予防的な治療としては ピロリ菌の除菌>ピロリがいなくなる>胃炎が改善>放置するより胃癌ができにくくなる ということでピロリ除菌しましょう という流れが存在し、ピロリ胃炎に対する除菌治療を国が認めてから 著しく胃癌が減ってきています。 じゃあ食道がんも予防できるんじゃないか 一度食道癌が出来た人が内視鏡治療で治療できて、そのあとに 禁酒すると次の食道癌が出来にくくなることが証明されました、だからお酒を辞めましょう >いやあ、、やめられねえっす ←これは本人のお酒との向き合い方、考えがあってまあ自己責任 でも「これから食道癌になりそうな人」は 内視鏡で我々専門家がみたらわかるのに 実は十分に歯止めをかけてこなかったんじゃないか? という反省。 もっと積極的に介入すべきだし なんだ、知っていれば40歳でお酒をひかえてたのに、、、 でなかろうか・・・ 病名がついてないから、その流れにのらない。 なので 内視鏡でこういう所見があると 「お酒による危険信号ですよ」 「リーチかかってますよ」 アルコールの20年以上の習慣飲酒あり、 フラッシャーで食道癌になってない40代、50代の方 日本人の食道癌ができやすいのは胸部中部、下部食道で 左の気管支の圧排部よりも手前の胸部上部食道からすでに 「全周性の血管透見不良」 「粘膜の白濁」 「領域性のないA血管増生」 「0,5%ヨードで10個以上のまだら不染」 (定義案) あなたは慢性アルコール性食道炎です! と伝える 「たぶんこのままでいくと5年以内に食道癌が生じるでしょう」 憶測にすぎんけども、どこかで歯止めをかけにゃいかん とくに食道癌になる可能性が高い人たちによびかけなければ。。 で、それがどこの内視鏡の結果説明の場で反映されるべし がん検診もそうあるべき。食道癌リスクのあるかたにはバリウムより内視鏡を薦める 治療:お酒を控える、辞める うーん、、、ここになにか食道粘膜がきれいになるお薬なんか 開発しちゃったらいいのかもしれんけど 歯がきれいになる 胃がきれいになる 食道はどうだ?? アルロイドG? 毎日アルG飲み続けたら、慢性アルコール性食道炎は改善するか? クリニカルクエッションでました~ とにもかくにも今年はこの「慢性アルコール性食道炎」 について講演で話してみようっと #
by kenzaburou41
| 2023-02-18 22:39
| 慢性アルコール性食道炎
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食道癌になる前に
食道癌になった人は お酒とたばこが大きな要因で 体質的にお酒に弱いけど鍛えられて強くなった方 そういう方が内視鏡にいらして 「50歳女性です 顔がすぐ赤くなります 毎日2合以上飲んでます」 来た、、、このパターン そういうかた、食道癌になりやすいんですけど知ってます? へ? きょとん 前内視鏡やったときはそんなこと一言も。。。ピロリもいませんでしたし ですよね~「今は異常ない」っていうでしょうけど 「将来癌になるかもしれません」 って教えてくれる先生ってなかなか居ませんよね~ 案の定、食道全体に血管がみえない、ざらざらした食道 「慢性アルコール性食道炎です」 このままこの飲み方を続けると確実に食道癌ができますよ 気を付けましょう 内視鏡も定期的に受けてくださいよ 食道についた傷をこれ以上悪くしないように いたわりながら生活しましょう というような、食道がんのリスクを伝える社会活動を 続けております ちいさなことからコツコツと #
by kenzaburou41
| 2023-02-18 18:03
| 間違いだらけのがん検診
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