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MMカンファ

外科が「食道、胃、大腸、肝胆膵,乳腺、血管」
と専門分野で分かれて、今は各診療科ごとに
問題を解決してるのですが

昔、週に一度、その病棟で術後もしくは
再発やらなにやらで状態の悪い人、
もしくは亡くなった患者さん

その問題が何か?

ってのを突き詰める
「mortalityand Morbidity カンファレンス」
てのがあって

病棟医長がそれを前もって調べて、
週に2人か3人が対象になる

術後管理で忙しい上にその
カンファレンスの準備もしなきゃ
いけないっていう、、会がありまして。

「術後管理だけでも大変なのに〜
ってかなり不評だった、MMカンファ」

2000年頃の記録がでてまいりました。

2月4日 食道癌術後発熱 右腎梗塞

3月10日 食道癌術後肝硬変 腹水多量
MRSA腸炎,腎障害

食道癌術後肺炎(MRSA肺炎疑い)

3月24日 食道癌、化学放射線療法,肺転移、
呼吸障害

3月31日 食道癌術後、肝硬変、食道ろう、小腸による
再建、MRSA腎症、血液透析

4月28日 食道癌術後、胃管肺ろう、肺炎、気管開窓術、ステント留置

5月12日 食道癌呼吸困難で緊急入院、気管ステント留置、敗血症

6月2日 食道癌術後頸部リンパ節転移、反回神経麻痺、放射線治療、呼吸困難、食道気管ろう、気道出血

6月9日食道癌,気管浸潤、気管ステント留置、肺膿瘍

、、、



毎月毎月、術後の肺炎や縫合不全で苦労している例や、
再発していろいろ対応したけど
治療が難しくなって、、、と

その話を、それほど術後管理が大変でない
他の専門の外科医の前で話しなきゃいけない。


「食道は大変だねえ」

といわれながらも、でも食道癌の
患者さんと向き合ってる食道外科医。

あの頃もきつかったけども
今もやっぱりちょっと油断すると
状態が悪化する。

丁寧な術後管理が必要で

全国の食道外科医
みんな頑張ってます。


ぽちっとな
# by kenzaburou41 | 2012-09-02 11:29 | 手術の合併症の話 | Comments(0)

病理

病理_b0180148_17132637.jpg


内視鏡治療だけで治るのか

手術や放射線,抗がん剤を加えた方がいいのか

患者さんから切除して取り出した検体は
病理(びょうり)の先生が顕微鏡でくわしく
見て頂きます

そこで100%全てが分かる、とまでは
いえませんが

その検体のもつ情報がさらに詳しく
わかります

病理の先生がいなければものすごく
困りますし、手術なりESDなり
一括で病気をしっかり取ってきて
臨床の予想と、実際顕微鏡でみた結果を
突き合わせて,次の診療に役立てる

という作業を繰り返します

たくさんの積み重ねで
明日のよりよい医療が
成り立ってまいります。


ぽちっとな
# by kenzaburou41 | 2012-09-01 17:25 | がん患者学 | Comments(2)

日本モンゴル消化器癌シンポジウム

いよいよ来週に迫ったモンゴルの学会の準備で
忙しいケン三郎ですわ

外科医が26人参加して

食道、胃、大腸、肝胆膵
そのみちのエキスパートが
集う学会ですわ

食道では大阪のあの鏡視下の達人が
トップバッターで

ケン三郎はその次の次なんですわ


発表はもちろんELPSですわ~

ELPSで治療したらどうなるか


喉頭蓋、右梨状陥凹、下咽頭後壁を
一度に取ると↓のような状況になるんですわ


日本モンゴル消化器癌シンポジウム_b0180148_23451249.jpg



喉頭蓋は萎縮してふたがないけど、誤嚥もしないようですわ


10分の発表時間でいかに
みんなに伝えるか

大真面目に取り組んでるんですわ


英語はうまく話せないけど
情熱は伝えられると思うんですわ


モンゴルから世界を目指すんですわ~
# by kenzaburou41 | 2012-08-31 23:52 | ELPSでのどを守る | Comments(1)

バレット食道癌の拾い上げ

逆流性食道炎を繰り返すとバレット食道ができてさらにそれが癌になる

と考えられてきましたが

逆食炎はむしろ進行すると、ただれが全周性になって狭くなる

そういう経路にも進行し。

人によってどっちになりやすいかが個々の酸やアルカリ
逆流の程度で違うようで。

日本人でもたしかに「癌化する」コースをたどる方はいらっしやいます

でも、実際に癌を見つけたぞ!

という経験はそうは多くはなくて。。

口腔咽喉頭癌はしょっちゅう見つけるのに

「バレット食道癌」は紹介されてからそれを精査する、ってのが
ほとんど。

見落としてるんじゃないだろうか

ときに不安になります

バレット食道癌の拾い上げ_b0180148_0494031.jpg


とくに全周3cm以上のロングバレット

第4世代経鼻内視鏡では、もうすこし粘膜模様,血管模様
がきれいに見えるようでなければ難しいかも。

第5、第6、とどんどん進化していって
レーザー光源も経鼻でつかえるようになる
時代がくれば、、、


小型化,細径化(鼻が通る太さ)かつ性能のいいカメラ
がバレット癌の拾い上げに有効か?

来春の消化器内視鏡のシンポジウムですわ


検討しなきゃ。


ぽちっとな
# by kenzaburou41 | 2012-08-31 01:06 | バレット食道 | Comments(0)

咳が止まらない

食道癌の手術後、よく咳が止まらない
という方がいらっしゃいます。

気管の周りの脂肪をリンパ節と一緒に
お掃除してくるとき

細かい神経がプチプチ切れてとれてくる
ので反射が起きやすい
のだろうと思うんですが。

「ちょっとしゃべろうとすると
咳がコンコン出て苦しい」

退院前にこうした患者さんが
結構多いです。

咳止めを処方、
特にリン酸コデインが良く効きます

が、ずーっと使い続ける
っていう薬でもないです

でも困った時、

手元に薬もないときどーしましょう?

「おばあちゃんの知恵袋」
によれば人参の絞り汁が効果がある
とされています。

人参には気管の粘膜を強くする
という作用があり

すりおろした人参を布巾でぎゅっと
絞ってそのしぼり汁を杯にして1−2杯
グッと飲み干すと良いそうです。

そういえば漢方でも
人参養栄湯が咳に効く
というのはこのことだったか。

お困りの方、お試しくださいな

ぽちっとな
# by kenzaburou41 | 2012-08-27 22:33 | 漢方 | Comments(2)